イラン イタリアと経済協力の覚書 欧州各国と関係強化

経済制裁が解除されたイランは、イタリアと経済協力に関する覚書を新たに交わし、ミサイル開発を巡るアメリカとの対立が続くなか、制裁で疲弊した経済の再建に向けてヨーロッパ各国との関係強化を図る動きを強めています。
イランのロウハニ大統領は12日、首都テヘランで、イタリアのレンツィ首相と会談しました。ことし1月にイランの核開発に関連する経済制裁が解除されて以降、G7=主要7か国の首脳がイランを訪問したのは今回が初めてです。
イランの国営通信などによりますと、双方は先に合意した日本円で2兆円を超える規模の経済協力の進捗(しんちょく)を確認し、鉄道や観光などの分野で協力を進めていくとする覚書を新たに交わしました。
ロウハニ大統領は制裁の前はEU=ヨーロッパ連合の加盟国の中で最大の貿易相手だったイタリアとの関係修復に期待を表明し、レンツィ首相も「かつての良好な関係が協力の基盤となる」と応じ、テロ対策などでも連携していく考えを示しました。
イランは今週、モゲリーニ上級代表らEUの訪問団も迎える予定で、経済制裁が解除されたあともミサイル開発を巡るアメリカとの対立が続くなか、経済の再建に向けてヨーロッパ各国との関係強化を図る動きを強めています。