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アンノン・ゲーム

人生は未知のもの。だから、私は書き続ける-。

銀河英雄伝説・第9話「クロプシュトック事件」感想

銀河英雄伝説

 

本編とあらすじ

 


銀河英雄伝説 第9話

 

銀河帝国第36代皇帝・フリードリヒ4世はこの年、63歳。

即位して34年目を迎えた。

取り立てて名君でもなく、また、暴君でもない。

凡庸な灰色の皇帝と評される所以である。

即位する前のフリードリヒは放蕩の限りを尽くし、

いわば勘当寸前の身であった。

フリードリヒには2人の兄弟がおり、

そのふたりが皇帝の座を争っていた。

長兄リヒャルトと弟のクレメンツである。

帝国暦452年。

当時、皇太子であったリヒャルトが、

父・オトフリート5世の弑逆を図ったとして、死を賜った。

しかし、のちにそれが、

弟のクレメンツによって着せられた冤罪であることが発覚。

クレメンツは自由惑星同盟への亡命を図るが、途中で事故死。

かくして玉座についたフリードリヒ4世であるが、

国政には関心を示さず、

国務尚書であるリヒテンラーデ公に一切を任せている】

 

帝国の社交界から30年以上も遠ざかっていたクロプシュトック侯爵が、

急にパーティを開くことになり、

大貴族のブラウンシュバイク公爵から、ラインハルトに招待状が届いた。

 

パーティには皇帝であるフリードリヒ4世も参加するという。

 

貴族同士の付き合いには、あまり気乗りがしないラインハルトだが、

キルヒアイスに促されたので行くことにした。

 

会場にはヴェスパトーレ男爵夫人も来ており、

華やかな雰囲気だったが、ラインハルトは途中で奇妙な老人に遭遇する。

 

その老人こそ、クロプシュトック侯爵であり、

彼は過去の怨恨を晴らすために、

爆弾を使って、皇帝とブラウンシュバイク公の暗殺を企んでいた。

 

だが、フリードリヒ4世は途中で腹痛を起こし、

居城に引き返してしまった。

 

キルヒアイスは貴族でないので車で待機していたが、

妙な胸騒ぎを覚え、屋敷に入ろうとする。

 

すると、大きな爆発音がして、パーティ会場は騒然となるのであった-。

 

感想

 

ラインハルトが暗殺のターゲットとして狙われたわけじゃないんですが、

危機一髪という感じでしたね。

 

クロプシュトック老人は杖に爆弾を仕込んでいたんですが、

あれがラインハルトの近くにあったら、たぶん生きていなかったと思います。

 

ブラウンシュバイク公も助かってしまいましたが、

彼はのちにラインハルトを排除しようとして、大きな戦をしかけます。

 

甥っ子のフレーゲル伯爵がラインハルトと犬猿の仲なので、

その影響もあるんでしょうね。

 

この話で印象的だったのは、

キルヒアイスがアンスバッハと対面していることです。

 

この人物、ブラウンシュバイクの部下の中では優秀なんですが、

キルヒアイスのファンにとっては嫌な存在なんですよ。

 

ここでネタバレするわけにはいかないので、黙っておきますが、

アンスバッハはラインハルトの運命を大きく変えてしまいます。

 

また、フェルナーやシュトライトものちのち、

重要な場面で登場する人物なので、覚えておくといいですよ。

 

それにしても帝国は、中世ヨーロッパみたいなところですね。

 

でも、そんななかで、

クロプシュトックの執事が「お館様」と言ってるシーンに驚きました。

「お館様」って、日本の戦国時代特有の呼び名だと思いましたから。

 

ヴェスパトーレ男爵夫人は綺麗でした。

彼女のさっぱりとした性格も好感が持てます。

 

銀河英雄伝説の女性キャラは本当に魅力的ですね。