米アップルが、iPhone /iPad /iPod touch 用アプリストア App Store の検索精度を改善するために専任チームを組織、同時に検索連動広告システムを組み込む計画だと Bloomberg などが報じています。
検索連動広告システムは Android 用アプリストア Google Play にはすでに導入されていて、デベロッパーが広告料を支払ったアプリが優先的に表示される仕組みです。
アプリの名称を覚えていればまだいいのですが、名前をド忘れしてしまうと、たとえばAdobe のPhotoshop Lightroom といった定番アプリを探す場合でもなかなか出てきません。そこで検索ボックスに"写真編集"と入力しても、その文字列が入っている名称のアプリが大量に表示されてしまうため、まずみつけ出すことができません。
Bloomberg が伝えたところでは、現在アップルはこうした効率の悪い検索機能に手を加えるため、以前に広告ネットワーク機能「iAd」を担当していたエンジニアなどを含む100人規模のチームを組んで検索機能の調査検証にとりかかっており、システムの改善を目指しているとのこと。ちなみに、この調査部隊を率いているのは元 iAd リーダーのトッド・テレシーだとされます。
検索連動型広告機能は、たとえば Google の検索結果の最初に表示される広告と同じ仕組みと思えばわかりやすいかもしれません。アプリを登録しているデベロッパーが、そのアプリのプロモーション用に金銭を支払うことで、関連するワードでの検索があった時に優先的にそのアプリが表示されるというものです。
Google は同様の仕組みを Android の Google Play Store に導入しており、そこでは[広告]の表示とともに検索結果の上位に表示されるアプリが表示されています。
アップルは昨年暮れ、App Store 担当バイスプレジデントをエディ・キューからフィル・シラーに交代しました。検索機能の改善と検索連動型広告の導入もフィル・シラーの方針によるものとされています。
一方で検索連動型広告が導入されれば、広告費用を捻出する余裕のない個人デベロッパーや小さなソフトメーカーにとっては、アプリが注目される可能性がさらに減少する可能性もあることから、より本質的に良いアプリの制作が求められることとなりそうです。
いずれにせよ、数あるアプリの中から目的のものが見つけやすくなるのであれば、われわれユーザーとしては便利になるため、歓迎すべき話と言えそうです。