松川町リニア中央新幹線建設工事対策委員会の第2回は13日夜、町役場で開いた。JR東海の担当者が出席し、町内の残土候補地や計画の概要について説明。南アルプスのトンネル掘削に伴う残土を運び込む計画で、委員からは、運搬ルートが想定される県道松川インター大鹿線や県道伊那生田飯田線への影響を懸念する声が出た。
残土について、町は生田のくぼ地など3カ所で計620万立方メートルの活用を考え、候補地として県を通じてJR側に情報提供している。
JR側は、候補地のうち優先順位の高い箇所から測量や環境調査を行い、今後は盛土の造成計画を地元に対し提示する考え。地権者の合意が得られた後、詳細設計や用地測量に移るとした。
工事用車両が町内を通行する台数について、JR側は「詳細な設計がなく、説明できる段階にはなっていないが、多くは町内に入ってくると思う」と説明。工事用車両のうち8割近くが発生土を運ぶダンプとした。
「工事用車両の運行が通学の時間帯と重なる」との委員の心配に対し、JR側は通行を回避するか、誘導員を配置することになると答えた。
このほか交通量の増加に伴う安全対策を求める声が上がり、JR側は「交通に関わるものや工事の具体的な話は、地元とJRの間で確認書を交わしたい」と答えた。福与地区の県道改良を求める声もあった。
南アルプスを通るリニアの本体工事は、今夏の工事着手を目指す。発生土は当面、大鹿村内に8カ所(60万立方メートル)設ける仮置き場に運び、県道松川インター大鹿線の改良工事後の「早くて2018年の秋から村外に運び出す」とした。
天竜川に架かる宮ケ瀬橋も残土の運搬路としての利用が見込まれる。同橋は下流約250メートル地点に架け替え、新橋は2020年に架け替え工事が完了する予定。
町担当課は、工事用車両の通行に伴う住民生活への影響や残土候補地の下流域に対する安全対策を課題として挙げる。生田の3地区からは環境や安全対策に関わる協定書をJR側と結ぶよう要望が出ている。
次回会合は6月上旬に開く予定。