スティグリッツが各国中央銀行のマイナス金利政策を批判しています。
モデルでは「実質金利低下→投資刺激」とされているものの、
- 企業は潤沢な現預金を保有しており、投資判断にはわずかな金利低下よりも需要動向が影響する。
- 企業(特に中小)は国債金利で銀行から借りられるわけではない。
- マイナス金利政策は銀行のバランスシートを毀損し、貸出意欲を抑制する。
などが現実であるため、逆効果になるという分析です。
2.を日本を例に見てみます。
リーマンショック後に注目します。
2012年から長期国債金利と銀行の新規貸出約定平均金利の乖離が大きくなっていますが、その主因は日本銀行の国債買い入れ増加にあると見られます。
量的緩和や当座預金へのマイナス金利適用は、国債金利は大きく低下させるものの、銀行の貸出金利を同程度低下させることには至っていないのが現実です。
「金利よりマネタリーベース(または超過準備)の量が重要」と主張していた日本のリフレ派は、最近ではマイナス金利政策を絶賛して銀行バッシングに熱心ですが、スティグリッツの分析はそれとは正反対です。
リフレーショニスト諸賢におかれましては、金融の世界標準理論のイロハも知らない愚か者のスティグリッツをいつものように(できれば英語で海外に向かって)罵倒・嘲笑することをお願いします。