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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

“タバコ界のiPhone”目指し
開発費2000億円かけた「iQOS」

フィリップモリスジャパン社長 ポール・ライリー

週刊ダイヤモンド編集部
2016年4月15日
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あまりの需要増に、全国発売を二度延期している加熱式たばこの「iQOS(アイコス)」。20億ドルもの大金をつぎ込んで開発した大型商品に、フィリップモリスの鼻息は荒い。健康リスクの低減に成功したたばこ界の「iPhone」は消費者に受け入れられるのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 泉秀一)

──加熱式たばこ「iQOS(アイコス)」が好調なようですが、この盛り上がりは発売当初から予想していましたか?

ポール・ライリー(Paul Riley)
オーストラリア出身。50歳。ファリップモリスジャパン代表取締役社長。国内外のセールス・ディレクター、マネージング・ディレクターなどの要職を経て、15年9月より現職。

 われわれの想定を大きく上回り、予定の2~3倍の販売数になっています。お客様には申し訳ないのですが、あまりの需要増に、全国販売を再々延期している状態です。

 電気で加熱するアイコスは従来の紙巻きたばこのように火を使わないため、煙や強い匂いが出ません。他人に迷惑をかけることがないので、家の中でも車の中でも吸いやすくなりました。

 人体への影響も大きく低減されています。日本で行った臨床試験では、アイコスが出す蒸気に含まれるタールなどの有害物質は、紙巻きたばこの10%程度という結果が出ました。 

 他の臨床試験も行っていますが、これまでのところ、アイコスは従来のたばこよりも大幅に健康リスクを低減したと言えます。

 これまで、たばこ業界が提案してきた新商品というのは、味が少し変わっただとか、その程度のマイナーチェンジでした。しかし今回、ようやく健康リスクの低減に成功しました。これは、アップルが「iPhone」を発売した時のような、それくらいインパクトのあるイノベーションだと思います。

何か手を打たなければ
遅かれ早かれ潰れてしまう。

──どんな人が購入しているのでしょうか?

 昨年9月の発売当初は、20~30代を想定していました。しかし、蓋を開けてみると幅広い年齢層に支持されていることが分かりました。50歳以上のお客様も紙巻きたばこからアイコスにスイッチされています。

 たばこを吸うために、わざわざバルコニーに出る必要もなければ、娘から匂いを指摘されることもない。紙巻きたばこは、匂いが服につくため、非喫煙者に嫌われるケースが多いのですが、アイコスは匂いを気にしなくて済む。だから、いろんな年代な方に受け入れられているのだと思います。

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