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毎日新聞、第三者委員の見解公表 ムスリム女性、聴取の機会なく失望

毎日新聞2016年4月2日付朝刊(下)と審査対象となった同年1月4日付朝刊(上)
毎日新聞2016年4月2日付朝刊(下)と審査対象となった同年1月4日付朝刊(上)
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日本報道検証機構, 2016年4月15日

「憲法のある風景」と題する企画記事に取り上げられたムスリムの女性が事実と異なる記述があるなどと抗議していた問題で、毎日新聞は4月2日付朝刊に第三者機関「開かれた新聞委員会」で記事を審査した結果を掲載した。「記事化の過程、内容の両面において取材対象者の信頼を傷つけたのは事実」などと、4人の有識者委員とも問題があったとの見解を示した。大坪信剛社会部長も「表現の確認が不十分だったと考えられ、取材班に詰めの甘さがあった」との談話を発表した(全文は毎日新聞ニュースサイト)。

しかし、委員会側は取材対象の女性たちには一度もヒアリングを行っておらず、具体的な原因究明や再発防止策も示されなかったため、女性たちは「再び同じことを繰り返すのでは」と強い失望感を表明。第三者機関のあり方を含め、毎日新聞社に重い課題を突きつける結果となった(既報あり=【GoHooトピックス】ムスリム女性に毎日新聞が陳謝 憲法企画で「取材不十分」認め)。

取材を受けた女性ら「委員に伝える機会があると期待していた」「何ら連絡なく驚いた」

問題となった記事は、1月4日付朝刊社会面の「憲法のある風景」の3回目で、「信じる私 拒まないで/イスラム教の服装、習慣 就活、職場で壁に」(東京版)という見出し。取材を受けたムスリムの林純子弁護士ら2人とも、日本報道検証機構のヒアリングに対し、自分たちの思いと乖離した表現や不正確な記述が多数あると指摘したため、毎日新聞社に質問した。すると、2月21日に同社の社会副部長らが2人に面会し「結果として不快な点が残る記事となってしまった」と陳謝。しかし、2人とも「重大さを認識しているように思えない」として開かれた新聞委員会での審議を求める意向を表明し、同社は「審議する方向で検討する」と答えていた。

ところが、この面会以後、開かれた新聞委員会で審議入りしたのかどうかも含め、同社側から当事者への連絡は何もなく、4月1日に突然、社長室広報担当者から「翌朝紙面で委員会の審議結果が載る予定です」との連絡が来たという。

4人の委員は同社編集局側の事情説明と、当機構の質問状やGoHooの記事に基づいて見解を出したとみられる。

こうした審査方法について、林さんは「第三者委員会ということでしたので、少なくとも何らかの独自の調査をされてから見解を出されるのかと思っていたので、私たちに何ら連絡もなく見解が発表されたということに驚いた。記者の言い分を聞いたのであれば、それについて私たちがどう認識しているかを調査されるべきではなかったのか」と指摘した。匿名で取材を受けた会社員の女性も、「私たちから委員会に直接意見をお伝えできる機会があることを期待していた」「開かれた新聞委員会で審議をかけることが確定したことも、その日程や結果についても事前に全くご連絡を頂けなかったことは非常に不満」とコメントした。

委員会の見解は、4月2日付朝刊の特集面に「繊細なテーマ 取材対象者への配慮不足」と見出しをつけて掲載された。林さんがフェイスブックで不正確な記述があると指摘し、当機構から質問状が届いたことなど経緯を簡単に紹介。委員会としての統一見解は示さず、4委員の個別意見と社会部長の談話を掲載した。

池上彰委員
「記者はどんな記事になるかイメージし、ストーリーをもって取材に行くのが一般的。ストーリーが崩れると、インパクトのない記事になってしまうこともあるが、相手の発言に基づいて変更することが必要だ。発言を記者の「許容範囲内」に変えるのではなく、取材対象の言い分を最大限尊重すべきだった。取材と執筆の詰めが甘かった。」
荻上チキ委員
「今回のように繊細なテーマについては、取材対象者に不利益をもたらす可能性があり、事前確認は必須。記事化の過程、内容の両面において取材対象者の信頼を傷つけたのは事実で、特定のストーリーにひきつけ、その内容に同意するよう取材対象者を説得したように思える。」
鈴木秀美委員
「取材内容をどう記事化するかは新聞社の判断。だが、今回のように宗教という内心の核心にかかわるテーマで、しかも宗教的に少数派のイスラム教徒を取材し記事化する上では配慮が不足していた。特に東京都の女性については事前確認の約束を守らず、記事に不正確な事実が記載されていたことなど毎日新聞に反省すべき点がある。」
吉永みち子委員
「記事のニュアンスの違いが、取材される本人にとっては重大な結果や周囲との摩擦を引き起こすことがある。今回の抗議が訴えていることは、取材者と取材対象者の信頼をどう保つかということ。対象者への配慮、表現の重大さなどを考え、読者と共有する場を模索すべきだ。」
大坪信剛・社会部長
「連載「憲法のある風景」は、身近な暮らしの中にある憲法の価値、意義、課題を浮かび上がらせようと企画しました。記者は、ヘジャブの着用を司法研修所から認められたムスリムと、職場での礼拝を求めたムスリムを描くことで「『信教の自由』について読者に考えてもらいたい」とお二人を取材。記事は了解が得られる内容と思い込んでおりました。しかし、「記事のイメージが実態と異なる」とのご指摘を受けたことは、表現の確認が不十分だったと考えられ、取材班に詰めの甘さがあったことは否めません。「意図を十分くみ取って記事にする」基本を再認識するとともに、信頼関係を損なわない取材と対応に努めます。」毎日新聞ニュースサイト(4月2日付朝刊掲載)

「誤った報道、重く受け止めていない」「まるで私たちのわがままに見える」

林さんは「第三者委員会及び社会部長が取材・執筆過程に問題があったと認めたということ自体は評価できる」としつつも、「なぜこのようなことが起きたかという検証がない」「事実関係を誤って報道したことを重く受け止めていない」と指摘。「『表現の確認が不十分』『詰めの甘さがあった』ということ以外に語られず、具体的に何が原因なのかがまったく明らかにならなかった。これでは再発は防ぎようがないのではないか」と懸念を示した。「当の本人が違うと言っている内容を、それに逆らって記事化することまでもが『新聞社の判断』で許されるとは到底思えない」とも強調。「事後対応を通して、毎日新聞社側が問題の所在及び問題の大きさを認識していないことを痛感した」と述べた。

もう一人の会社員の女性も、委員の見解に対しては「満足している」と述べたが、そのほかは、言ってもいないことを書いた点などに言及されておらず、「できる限り毎日新聞社側の不備を隠そうとするような表現が見られ、大変残念」とコメント。また、「なぜ『陳謝した』にも関わらず、私たちが開かれた新聞委員会での審査を要望したのかも言及してほしかった。そうでなければ読者によっては、まるで私たちがわがままを言っているだけに見えるのではないか」と述べた。毎日新聞社側との面談で「同じことを繰り返さないための対策を示してほしい」と訴えていたが、「記事に提示された原因と対策も不十分かつ不明確で、今後も同じ誤ちを繰り返すだろうと思いました」と失望を隠さなかった。

当機構は、2人にヒアリングした結果、林さんに関する記述は5箇所で、会社員の女性に関する記述は6箇所で、事実関係に誤りがあるか取材で話していないことが記されているとの指摘があった。「信じる私 拒まないで」などの見出しや記事全体の趣旨が2人の思いと著しく乖離していることも判明。毎日新聞社に詳細な質問状を送り、見解を求めていた。

しかし、毎日新聞の4月2日付記事では、林さんが事前に修正を求めた記述のうち2箇所、匿名の女性が事実関係が不正確だと指摘した記述のうち1箇所を紹介しただけ。各本社ごとに付けられた見出しの表現が2人の思いとかけ離れている点や、匿名の女性が「信じている人を拒む権利なんてないはず」などの発言は取材時に言っていなかったと訴えている点など、多くの問題点が紹介されていなかった。紙面のメインテーマは「SMAP解散報道」の批評に割かれ、今回の記事に割かれた分量は審査対象となった1月4日付記事よりも少なかった。

委員の一人は「記事に不正確な事実が記載されていた」との見解を示しているが、ニュースサイトの記事は4月15日現在、加筆修正されていない。

「憲法のある風景」第3回記事の各本社・支社版の見出し

【東京】 信じる私 拒まないで/イスラム教の服装、習慣 就活、職場で壁に
【大阪】 ヘジャブの私認めて/日本人ムスリム 偏見との闘い
【西部】 信じたい 堂々と/日本人ムスリム 恐れる偏見/「ヘジャブは服の一部」
【中部】 信じること 迷わない/イスラム教の服装、習慣 就活、職場で壁に
【北海道】 ムスリムを拒まないで/就活や職場で受け入れられない独自の習慣

(*) この記事は、4月10日、Yahoo!ニュース個人で配信し、改題したものです(「解説」は別途コラムで配信予定)。

  • (初稿:2016年4月15日 06:00)
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