活断層とは、最近の地質時代に繰り返し活動していて、将来また活動すると考えられる断層です。「最近の地質時代」とは、地質時代の最も新しい区切りである「第4紀」をいい、概ね200万年前から現在までのことです。
まず、活断層の代表格に茨城県から熊本県へ日本列島を縦断する大断層の中央構造線があります。 九州の中央構造線は九州中央部では、阿蘇山の下にかくれています。大分県(臼杵)から熊本県(八代)をとおり、甑島(こしきじま)と薩摩半島の間をとおると考えられています。大分・熊本構造線が中央構造線の延長という考え方もあります。 活断層としての中央構造線 現在の日本列島の地殻変動は、およそ200万年前に始まりました。 中央構造線の古傷を利用して、多くの活断層が生じています。 それらを 中央構造線活断層系 と言っています。 その活動のようすは、地域(区間)ごとに大きなちがいがあります。 熊本県内には1889(明治22)年に熊本地震を起こした立田山断層をはじめ布田川・日奈久断層などの活断層があります。「自分の命は自分で守る」が防災の鉄則。いざという時に備えて万全を期したいものです。 (長陽村立野〜西原村大切畑〜布田〜益城町杉堂〜嘉島町北甘木) (甲佐町付近〜田浦町(御立岬付近)〜八代海南部(御所浦島の東側約五キロの沖合) (立田山〜花岡山〜独鈷山〜城山等) 国内の主な断層帯の活動状況の調査や将来発生する地震の危険度を評価している政府の地震調査委員会は、2003年7月31日、熊本県長陽村から八代海南部まで延びる「布田川・日奈久断層帯」で地震が起きた場合、熊本市などで最大震度6強以上の強い揺れが予想される、との評価結果をまとめました。 同断層帯は全長約101km。北東部〜中部〜南西部からなる。動く可能性の少ない北東部を除き、地震発生の可能性が高いグループに属する甲佐町から田浦町までの中部が単独で動いた場合を2パターンと、田浦町以南の南西部も同時に動いた場合を評価しました。 ●中部単独の場合、地震の規模はマグニチュード(M)7.5程度で、北寄りで断層の破壊が始まると想定した場合、熊本市や下益城郡の一部などで震度6強以上の強い揺れがあると予測しました。 ●破壊の始まりを海側にある断層の南寄りと想定した場合は、強い揺れの範囲が北東にさらに広がると予測した。 ●南西部も同時に活動した場合、地震の規模はM8程度になり、御所浦町なども震度6強以上の揺れが予測されるとした。 ●南西部も同時に活動した場合、地震の規模はM8程度になり、御所浦町なども震度6強以上の揺れが予測されるとした。 ※調査委は同断層帯について2002年5月、30年以内の地震発生確率予測を公表。 北東部がほぼ0%、中部が最大約6%、南西部が不明としていた。 (発生確率の評価時点2002年1月1日) 因みに、M7.3の阪神大震災を引き起こした野島断層の発生確率は8%でした。 熊本県を通る断層はいずれも千年に10cmから1m動く「活動度B級」。今後、立田山断層が再び活動し、地震を発生させるかどうかは断定できないが、地下に断層が通っている事実は心にとめておくべきである。熊本の地域性を考え、官民一体となってお互いが協力することでより現実性のある「熊本の防災」が実現するものと思います。
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