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二つの断層が原因か

アパートの土台が倒壊した現場=熊本県益城町で2016年4月14日午後10時50分、野呂賢治撮影

 多くの専門家が今回のマグニチュード(M)6.5の地震を引き起こした可能性を指摘するのが、布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)断層帯だ。熊本県の内陸部で以前から大きな地震を起こすと考えられてきた。阿蘇外輪山の西側斜面から八代海南部にかけて、ほぼ北東−南西方向に延びており、全長は約101キロに及ぶ。

 政府の地震調査研究推進本部によると、布田川断層帯、日奈久断層帯はそれぞれ3区間に分けられ、全体が連動すれば最大でM8.2の地震が起きる可能性が推測されている。今回の震源に近いとみられる北部の布田川断層帯の一つの区間が単独で活動する場合の規模はM7程度、30年以内に大規模な地震が起きる確率は「ほぼ0〜0.9%」とされる。直近では約6900〜2200年前に活動したと考えられている。

 また、人口が集中している断層の西側は、砂がたまった沖積平野で大きな揺れが想定されてきた。熊本県は2013年、東日本大震災を踏まえて県内の地震・津波被害想定を試算。布田川・日奈久断層帯は県内最大の被害が出るとして、建物倒壊や津波、火災などにより死者960人、重傷者4700人、軽傷者2万2700人と予想。建物は2万8000棟が全壊、8万2300棟が半壊すると見積もっている。

 古村孝志・東京大地震研究所教授(地震学)は「M7程度の地震が起こると考えられていた『日奈久断層』や『布田川断層』の可能性が高い。今後も余震の可能性があり、十分な注意が必要だ」と指摘。石橋克彦・神戸大名誉教授(地震学)は「九州地方は東西に圧縮し南北に引っ張られる力がかかっている。その力による内陸型の横ずれタイプの地震の可能性がある。同様に大きな揺れが襲った05年の福岡県西方沖地震も同じメカニズムで起きている」と話す。【千葉紀和、柳楽未来、酒造唯】

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