金総裁「6月にも初回の融資を決定」
【ワシントン清水憲司】中国が主導して設立した「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)の金立群総裁は13日、ワシントン市内で講演し、6月にも初回の融資を決定するとの見通しを明らかにした。世界銀行やアジア開発銀行(ADB)との協調融資になる予定だ。
金氏は14日開幕する主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議と併せて開催中の国際通貨基金(IMF)・世銀総会に出席するため訪米した。AIIB関係者によると、金氏は13日、米財務省幹部や米財界人と会談したという。
講演で、金氏は世銀などとの協調融資だけでなく、独自の融資も検討していることを明らかにしたが、「AIIBが(単独融資ができる)能力を身につけたとしても、(既存機関と)連携すべきだと考えている」と述べた。
AIIBは昨年12月、欧州やアジアなど57カ国が参加して発足した。「中国外交の道具になりかねない」「米国主導の国際金融秩序を揺るがすのではないか」など懸念の声があり、日米は参加を見送った。