広島への訪問検討、認める 米報道官
【ワシントン西田進一郎】アーネスト米大統領報道官は12日の記者会見で、オバマ大統領が5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に出席するため訪日する際に被爆地・広島への訪問を検討していることを認め、オバマ氏の「核兵器なき世界」を目指す取り組みにとって「広島ほど象徴的な場所はない」と語った。
オバマ氏は5月26、27両日に開かれるサミットへの出席に合わせ、広島訪問を検討している。今月11日には、広島で主要7カ国(G7)外相会合に合わせてケリー国務長官が平和記念公園を訪問しており、国内外の反応を踏まえて判断する見通しだ。
アーネスト氏は「大統領はサミット出席のために日本に行くが、それ以外にどこかに立ち寄るかは現時点で分からない」と答えた。そのうえで、広島は「人類が持つ悲劇的な能力」を象徴する場所だと指摘し、「初の核兵器使用による犠牲者がいる都市ほど、『核兵器なき世界』への取り組みを象徴し、説得力をもって示す場所はない」と説明。大統領や側近たちがさまざまな選択肢を熟慮すると語った。
一方、米国内では「オバマ政権は第二次世界大戦の勝利に対して謝罪している」との批判も出ている。アーネスト氏は、オバマ氏は「人類の自由を守るために第二次大戦で戦った米国人の勇敢さや勇気、英雄的な行為に対する確固たる考え方」を持っており、この考えの下に決断すると反論した。