【GOLF、今この人に聞きたい!】 第12回:上杉隆さん

メディアがやるべき姿勢と日本ゴルフ改革会議


 2013年のつるやオープン。メディアはジャンボ尾崎のエージシュートを称賛したが、上杉さんは尾崎選手がコース内で折り畳み椅子に座り、たばこをふかしている姿を報じた。ルールとマナーの両面で大きな問題であるにもかかわらず、誰も指摘しないのはおかしい、とテーブルをたたく上杉さん。

 「若いプロへの悪い見本ですし、結局ジャンボさんのためにもなりません。誰からも注意されずに、好き勝手にやってきてしまったから、ずいぶんと損しています。本来ならば若いうちにメディアが批判しておけば……と思います」

 もちろん、よいところはきちんと報じなければならない。しかし、メディアは嫌われるのを恐れて、いいことばかり書く。そこにゴルフというフェアなスポーツと矛盾している部分がある、と上杉さんは強調する。

 ジャーナリストという印象の強い上杉さんだが、ただ批判するだけでなく、問題解決のための行動を実際に起こしている。先述の『オプエド』もしかりだが、ゴルフに関しても日本ゴルフ改革会議の発起人の一人である。

 「この会の目的は、この会自体が役割を終えてなくなることです」

 その意味を上杉さんはこう説明してくれた。ゴルフ界の根本的な問題はゴルフに関係する団体が17もあり、それぞれが利権を持っていること。そのために、業界全体を視野に入れた取り組みを進めることができないどころか、みんなで足の引っ張り合いをしている始末。例えばアジアンツアーは、最初は向こうから協業をお願いされていたが、結局入り損ねて、今は日本がお願いする立場。日本ゴルフ改革会議では17団体の接着剤として、すべて同じように対応しようと動き始めたが、どの団体も「利権を取りに入ってきたのか」という反応だった。

 「利権なんかいりませんよ。とにかくゴルフ界に内輪モメしている余裕はないはずです」

「『君は何の利権を狙ってるんだ?』と問い詰められました(笑)」

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