「反核」Tシャツで講師依頼打ち切り
鹿児島市の公共施設「市勤労青少年ホーム」で
鹿児島市の公共施設、市勤労青少年ホームで、ヨガの女性講師が施設に出入りする際、「反核」と大きくプリントされたTシャツやパーカを着用していたことを理由に講師依頼を打ち切られていたことが、関係者への取材で分かった。
昨年2月〜今年3月、3期にわたりヨガ講師を務めた同市の白沢葉月さん(51)。問題視されたTシャツなどは、原発や核兵器廃絶を目指す意思を示そうと普段から着ていたが、ヨガの指導中は着替えていた。
同ホームの川崎栄夫館長(66)によると、川崎館長が3月、「公の施設で皆さんに与える影響が強い。着るのを控えたら、これからも講師をお願いしたい」と話したところ、白沢さんは「私の主義主張なので応じられない」と拒否。受講生らからの苦情はなかったが、川崎館長は自身の一存で次期の講師依頼をやめたという。
同ホームの条例・規則では「政治的活動に使用するおそれ」がある場合に使用を制限できるとしており、所管する市青少年課は13日、川崎館長から事情を聴いたうえで「判断に問題はなかった」とした。
白沢さんは「政治的主張を自己規制する空気が広がっている今の社会はおかしいと感じ自分の考えを表現してきたので、外すわけにはいかない」と話している。【津島史人、杣谷健太】