チームが自律的になるには安全な場がまずは必要

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中村 洋

「チームが自律的になって欲しい」というマネージャーの声

現場コーチのヒアリングをしていると、経営者、マネージャーなど現場チームの外から「自分達で自発的に考えて動いたり、チャレンジする自律的なチームにして欲しい」という声をよく聞きます。

そういう声をもとに現場支援を開始すると「この環境ではチームが自律的になりたくても、すぐに壁にぶち当たるだろうなぁ」と感じることがあります。

現場チームは「自分たちで色々やりたい」という希望や意思を持っている一方「やっていいかわからないし、やってうまくいかなかった時にどうなるかわからない」という不安を抱えていることが多くあります。

現場チームが自律的になることができない原因の1つに「自律的になる環境がない、整っていない」ということがあります。

狼と羊飼いがいないこと

チームが新しいことをやろうとすると、やたらと反対したり、自分の意見を押し通そうとする、まさに羊の中に紛れ込んだ狼のような人はいませんか?

狼がいると羊(=チーム)は、いきなり後ろから食べられるかも…と不安になってしまい、安心してチャレンジすることができなくなります。

一方でチームが何か新しいことをしようとすると「君達は余計なことはしなくていいよ。こっちでやっておくから」と羊の世話を焼きまくる羊飼いがいませんか? チームの状況によってはしっかりと見る時期も必要ですが、チームがチャレンジする機会を得ることが少なくなってしまいます。

余談ですが、この羊飼いはもちろん本人には悪意はなく「チームがしっかりしないから自分が見てあげないと」という善意で思っていることが多くあります。

転んでも大怪我をしない芝生

羊(=チーム)が走り回ることになる柵に囲まれた地面はどのような状態でしょうか? 石や砂利だらけで転ぶとひどく怪我をしそうであれば誰も走ろうとしませんが、転んでもさほど痛くない芝生であれば安心して走り回ることができます。

チームが1度しかチャレンジできなかったり、1度うまくいかなったりすると大変な状況になるのではなく、何度かうまくいかなくてもその都度チャレンジできる環境であれば、チームは学び、成長し、改善を続けることで自律的な状態に近づいていきます。

チームが自律的になりやすい環境づくり

このようにチームが自律的になるためには、チームだけでなく「狼と羊飼いがいないこと」と「転んでも大怪我をしない芝生」といった環境も大事になってきます。 現場やチームの状況によってこれ以外の要因もありますし、またその解決方法も違ってきます。