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UR男性2職員、接待総額は100万円か

甘利明前経済再生担当相=宮間俊樹撮影

東京地検特捜部、2職員から任意聴取

 甘利明前経済再生担当相(66)の現金授受問題を巡り、都市再生機構(UR)は13日、男性職員2人が、道路事業の移転補償でトラブルとなっていた千葉県の建設会社「薩摩興業」の元総務担当者、一色武氏(62)から飲食接待を受けていたと発表した。2人は当時、UR千葉業務部で道路事業の補償と工事を担当していた。関係者によると、東京地検特捜部の任意聴取も既に受けており、接待総額は100万円近くに上るとみられる。

 URによると、2人は2014年10月から15年10月までの1年間に、居酒屋などでそれぞれ複数回、一色氏から接待を受けた。飲食代などは今年1月中旬までに返金したという。

 URは「極めて不適切で誠に遺憾」として第三者による調査を実施する方針を発表。その上で「接待が補償に影響したとは把握していないが、捜査中で個別の情報は申し上げられない」として詳細な説明を拒んだ。

 一色氏によると、道路事業の計画地にあった薩摩興業事務所の移転に伴うURとの補償交渉を11年9月から開始。難航していたため13年5月に甘利事務所に「口利き」を依頼した。甘利事務所側がUR側と接触すると交渉が進展し、同8月に約2億2000万円の契約を締結した。一色氏はその後も同じ工事を巡りURと別の補償交渉を進めていた。

 関係者によると、2人はそれぞれ道路事業の工事と補償の責任者。一色氏は交渉の過程で2人と顔見知りとなり、URの内部情報を得ていた疑いがある。

 URによると、今月10日に1人から申告があり改めて内部調査を実施した。2人のうち1人は、これまでの調査に対して一色氏から接待を受けていたことを否定していた。もう1人は1回分の接待を認めていたが、他にも接待を受けていたことを新たに認めた。URは「調査が不十分だった」としている。

 この問題を巡り、特捜部はUR本社や一色氏の自宅をあっせん利得処罰法違反容疑で家宅捜索し、補償交渉の経緯を詳しく調べている。UR職員は公務員と同様に刑法の収賄罪が適用される「みなし公務員」にあたることから、2人の職務権限や補償交渉で果たした役割なども捜査し、全容解明を進めるとみられる。【石山絵歩、近松仁太郎】

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