脊髄損傷でも考えたとおりに手足動かす技術開発

脊髄損傷でも考えたとおりに手足動かす技術開発
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脊髄を損傷して手足がまひしている患者が、頭の中で考えたとおりに患者自身の手を動かすことができる技術を開発したとアメリカの大学などが発表し、体を動かせない人を支援する新たな技術として注目を集めています。
新たな技術を開発したのはアメリカのオハイオ州立大学などの研究チームで、14日付のイギリスの科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。
研究チームは、脳の中で、手を動かそうとするときに活発に活動する部分を特定し、そこから出る電気信号を検出する縦横1.5ミリの小さなセンサーを開発しました。そして、事故で脊髄を損傷し、手足を動かせなくなった20代の男性の脳にそのセンサーを埋め込んだということです。
センサーが検出した電気信号はコンピューターが読み取り、男性の腕に取り付けた130個の電極に送られ、筋肉に刺激を与えることで、男性の手を動かす仕組みです。
その結果、男性は頭の中で考えたとおりに手首や指を動かすなど、6つの動作ができるようになり、15か月にわたる訓練の末、クレジットカードを財布から取り出したり、音楽ゲームでギターを演奏したりすることができるようになりました。
これまで、脳の電気信号をもとにロボットアームを動かしたり、パソコンの画面を操作したりする技術は開発されていましたが、患者自身の体を動かす技術は今回が初めてだということで、体がまひして動かせない人を支援する新たな技術として注目を集めています。