2016年4月12日、中国のインターネット上にこのほど、上海から日本を訪れた20代の女性がつづったブログが掲載された。
今回の日本旅行の重要な目的の一つが、ミシュランの星を獲得している「鮨(すし) 水谷」を訪れることだったという女性は、この時の食事が「大げさではなく、深く心に残る食事だった」と振り返る。
女性が同店を訪れようと思ったきっかけは、「すしの神」のドキュメンタリーを見たことがあったから。当時は魚の鮮度くらいしか気にしたことがなく、すしの技術についての知識は皆無だったが、出発前には小野次郎氏の本を読んですしについて勉強もしたという。女性は、「職人の食材への情熱と畏敬の念は、医者の生命に対するそれのよう」とつづっている。
「鮨 水谷」には通り沿いに大きな看板はなく、何度か行ったり来たりした末にようやく店にたどり着いたという。女性は、「店構えは落ち着いていて、非常に清潔だった」と感想を述べる。注文したのは15貫ほどのセットで、まぐろや白身、赤貝などの貝類、ウニなどの軍艦巻きが並んでいた。女性は「どれもシャリとネタの温度が合っていた。魚は新鮮で、見た目も美しかった」とご満悦の様子だ。
また、職人の水田氏について「水谷さんが醸し出す厳粛な雰囲気に、カウンターの前に座った私は若干緊張してしまい、友人に話し掛ける声も小さくなった。食べるのではなく、まるで儀式であるかのような奇妙な静寂だった」としている。女性は最後に、「日本の職人の精神は、確かに人を感動させる」と結んでいる。(翻訳・編集/北田)