中国 違法ワクチン流通で350人超処分

中国で200万本を超えるともされる、保存状態に問題のあるワクチンが違法に転売された事件で、中国政府は、監督が十分ではなかったとして、薬品の監督当局の責任者ら350人以上の処分を決定し、厳しく対応する姿勢を示すことで、当局への批判を抑えるねらいがあるとみられます。
この事件は、中国山東省の病院に勤務経験のある女らが、去年までの5年間に、インフルエンザや狂犬病などの200万本を超えるともされるワクチンを、温度管理などが適切に行われない、ずさんな保存状態で違法に転売した疑いで去年4月に摘発されたものです。この事件が、ことしになって明るみに出たことで、公表の遅れなどに批判が高まりました。
中国政府は先月、専門のチームを立ち上げて本格的な捜査に乗り出し、違法な転売に関わった疑いのある製薬会社の関係者らの摘発を進め、13日、これまでに202人を拘束したと発表しました。
そして、ワクチンを接種した人の健康状態に問題が無いかなどの調査を進めるとしたうえで、監督が十分ではなかったとして、薬品の監督当局や地方政府の責任者ら合わせて357人について、免職や降格の処分を決めたとしています。
中国政府としては、食品や薬品の安全を脅かす事件が後を絶たないなか、事件に厳しく対応する姿勢を示すことで、当局への批判を抑えるねらいがあるものとみられます。