PRパンフ「女性は元々受け身の性」
「表現が偏っている」と抗議、配布1万部を回収へ
鳥取県が開設した婚活支援施設のPRパンフレットに書かれた女性へのイメージに「表現が偏っている」と抗議があり、内容を改訂していたことが分かった。県内の飲食店などに配布した1万部を回収する。
指摘を受けたのは、昨年12月に県内2カ所に開設した施設「えんトリー」。インターネットを通して登録すると顔写真や年齢、職業などを基に、お見合いを申し込める。県からの委託で一般社団法人「県法人会連合会」(鳥取市)が運営。パンフレットも今年2月、同会の女性職員が中心になって作製した。
パンフレットは女性の特徴を「元々受け身の性で男性側から積極的に愛情表現されたり アプローチをされると次第に相手の事を好きになるという傾向が男性よりも強いようです」と紹介。男性が結婚相手に求める条件として「料理が上手」「男性をたててくれる」などと記載していた。3月上旬に「一方的な偏見ではないか」という抗議が県内の女性からあり、同月下旬に表現を削除した改訂版を配布し直した。
平井伸治知事は13日の定例記者会見で、「表現には『戦前』という感じがあり、率直に疑問を感じた。委託先で作られたものだが、県が最終チェックをしなければならず、反省しないといけない」と陳謝。同日、県幹部らによる緊急の会議を開き、刊行物などの表現に注意するよう指示した。
鳥取県は人口約57万人と47都道府県で最少だが、移住者の誘致を進めた結果、2014年度には移住支援策などを利用して1000人以上が移住してきた。えんトリーでも、県内在住者に加えて移住希望者にも利用資格がある。【高嶋将之】