レクサスがランドセルを販売!?その特徴は？その意図は？

by caxury · 2016-03-09

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小学生がレクサスを持てる時代になった。現在レクサスの公式ページにあるwebカタログではランドセルが売られている。ラグジュアリーカーブランドが手掛けるランドセルの特徴は？販売の意図は？

二つの最先端素材を利用した、軽くて丈夫なランドセル

今回レクサスがLexus collectionとして販売を始めたのは軽さと丈夫さにこだわったランドセル。もちろん、ランドセルといえばどのメーカーだって「軽くて丈夫」を追究しているに決まっているのだが、レクサスは二つの最先端素材を利用することで他との差別化をはかっている。

その二つの最先端素材というのはリアルソフトカーボンと最高級の人工皮革素材であるベルバイオだ。リアルソフトカーボンはかつてレクサスが販売していたラグジュアリースポーツカーLFAに用いられていたカーボン繊維と同じものである。LFAは2010年からわずか2年間、限定500台で職人による手作りをベースに造られた車であり、その価格はなんと3,750万円もした。

レクサスはこのリアルソフトカーボンの生みの親であるカーボンブランドhide k 1896とコラボレーションをし、ランドセルメーカーに製造も依頼する形でレクサスブランドのランドセルを販売するに至ったのである。今回も完全受注型で販売を行うということで、製造には3-4か月を要するという。

気になる価格

現在のランドセルの価格相場はおおよそ3-4万円である。子どもが持つ鞄としてはもったいないと思う人もいるかもしれないが、何せ多くの子どもはこのランドセルを6年間使うことになる。なかには比較的安いものを買い、3年で買い替えるケースもある。どちらにせよ、ある程度の価格は覚悟した方が良いだろう。

一方、今回レクサスが販売するランドセルの価格は15万円。やはり、ラグジュアリーカーのブランドが提供するランドセルは決して安くない。しかしながら、素材にこだわった本体は実に軽く、その他の機能性にもこだわってかぶせ部分はワンタッチロック式になっており、取り換え可能な筆箱ケースやポーチもついている。また、3,000円足せば名前の刺繍も入れてもらうことができる。色はブラック、ブラウン、ネイビー、グリーン、ピンクの5色から選ぶことになる。

販売の意図は？

今回の春夏コレクションのwebカタログで、レクサスはランドセルの他にも名刺入れなどのグッズも販売している。これについては幅広い年齢層にレクサスというブランドを身近に感じてもらいたいという思いがあるようだ。しかしながら、実際に子ども、特に小学校へこれから入学しようとランドセルを手にする年齢の子どもたちがレクサスというブランド価値をどれほど認識しているのかと考えると、たとえ「身近」に感じていたとしても、そこまでのメリットがあるようには思えない。子どもたちに身近に感じてもらう以外のメリットが大きくなければ販売までには至れないだろう。

ここで考えられるのは、「誰が、誰のために」ランドセルを買うのかだ。近頃は夏休み、特にお盆の時期にランドセルがよく売れるのだという。つまり、お盆の帰省時に祖父母が孫にランドセルを買うのだ。現在の高齢者は健康寿命も長く活発である。孫の人数も少なく、就学前の孫がいるぐらいの年齢の高齢者はまだ働いていることさえある。レクサスというブランドは現在サラリーマンにも人気だが、高齢期に差し掛かる年齢層の人々にも人気がある。祖父母が孫にレクサスブランドの、祖父母から見れば実にとっておきのランドセルをプレゼントする。このことを誇りに思う祖父母も少なくはないだろう。デザインがやや大人びているのは、もちろんレクサスというブランドの印象を崩さないためでもあるだろうが、使用する子どもよりも、実際にお金を払う年齢層のことを考えてのことだろうとも思われる。

ちなみに、このランドセルの販売時期については、製造に3-4か月かかり、ランドセルの売れ行きが良くなる8月を意識してのことだという。この春入学する子どもたちを対象にしているのではなく、その次の春の子どもたちが今年の夏のプレゼントに受け取れるよう意識して設定された販売時期なのだ。

人々の反応は？

このランドセルを見た人々の反応をインターネット上で見ると、やはり賛否両論だ。格好良いという声や日本の良き文化をより広げてほしいという意見がある一方で、母親世代からすると、デザインが子ども向きでないという厳しい指摘や、今年の入学生に間に合わないと残念がるコメントがある。また、子どもにレクサスを背負わせることで返って子どもの存在が集団の中で浮いてしまうのではという不安な声も聞かれる。