【敬天新聞社より】
このコーナーでは、各方面で活躍されておりますジャーナリストや情報通の方々に、座談会形式で好きなように語って頂きます。
何かの理由でお蔵入りになった話などを好き勝手に語って頂き、「社会正義の実現 」に貢献できればと考えております。

【A:全国紙記者  B:週刊誌記者  C:民放TV記者  D: フリー記者】代表挨拶
―『敬天新聞』の軒下三寸借り受けまして新しいブログを開設することになりました。「夜討ち朝駆け」の毎日、ご多忙中とは存じますが、諸般の事情で書けなかった記事、既に報道された記事の裏話、あるいは陽の目を見ることなく埋もれてしまった事件など、タブーに臆することなく談論風発、大いに内幕を暴露して戴きたいと思います。
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第4回・記者クラブ楽屋裏座談会
第4回・記者クラブ楽屋裏座談会

A:全国紙記者 B:週刊誌記者 C:民放TV記者 D:フリー記者 E:風俗紙記者

――渦中の甘利 明・経済再生担当相が、薩摩興業の一色武氏から金銭(50万円×2)を、そして清島健一秘書らが500万円を受け取り、過剰な酒食の接待を受けていたことを認めて辞任しました。TPP承認式という晴れの舞台を目前にした大臣辞任だけに、心中の無念さは察するに余りあるものがありますが、安倍政権を支える重要閣僚という立ち位置を考えれば、やむを得ない辞任だったと思います。本日も前回に引き続き、甘利事件の深層を、時間が許せば先日、労働基準法違反容疑で執行役員らが書類送検された「ドン・キホーテ」のブラック体質について言及して戴きたいと思います。本日もよろしくお願いします。

「いやはや、参院本会議で安倍首相が『重要な職務に引き続き邁進してもらいたい』と続投支援宣言をした翌日の辞任には驚きました」

「『週刊文春』が第2弾記事を掲載した日(1/28)の記者会見で辞任を表明。おそらく1週間前からこの日と決めていたのかもしれません」

「Cさん同様、私も大マスコミの報道スタンスが、徐々に告発者の素性に焦点を当てるようになってきていたので、いずれは辞めるにしても、TPP承認式後と思っていたのですが、まさかいきなりの辞職とは正直言って意外でした」

「当初からサイドブレーキをひきながらの報道に終始していた(笑)我が社では、政治部の一部からは、ひょっとしたらという指摘もあったのですが、やはり大勢はTPP承認式後の辞任を想定していたので慌てたね」

「甘利大臣は涙ぐみながら『政治家としての美学と矜持』、『秘書の監督責任、閣僚としての責務』と大仰な言葉をかざして辞任を表明しました。それはそれで評価すべきなのかもしれませんが、違和感を覚えたのは、既に『週刊文春』の記事で周知の事実になっているにもかかわらず、秘書をはじめ、関係者の名前をなぜすべてイニシャルで説明したのか、理解に苦しみます」

「調査に権威を持たせたかったのでしょうが、多用した『特捜経験のある弁護士を含めた第三者』という言葉も、弁護士の名前は明かさぬまま。これではお手盛り調査と批判されても仕方ないと思いますね」

「1週間も時間をかけて認めたのは、甘利大臣が100万円を受け取ったこと、清島秘書が500万円を受け取って、そのうち300万円を使い込んだこと、頻繁に接待を受けていたことだけ。URから薩摩興業に支払われた補償金が2000万円から2億2000万円に跳ね上がった点やURとの遣り取りなど不都合な事実をスルーした調査報告書の朗読にはガッカリしました」

「関係者から、調査に当たったヤメ検弁護士に対し、清島健一、鈴木陵允秘書がなかなか本当のことを言わないので苦労しているという声を聴いたが、やはりポイントになるのはURに対する口利きの程度だろう」」

国交省が100%出資するURには昨年も340億円の補助金が出されている天下り法人巣窟のひとつです。そうした天下り独法を潰すも、生かすも政治家のさじ加減ひとつとあらば、政治家の言いなりになることが保身の術。所詮は税金、自分のカネじゃないので、気前よくばら撒けるのでしょう」

「そして、そのおこぼれを喜々として貰うのが政治家。何とも情けない話です」

「甘利大臣自身が『大臣室に録音機を持って来られたのは衝撃だ』と言ったり、高村正彦副総裁や、山東昭子参院議員は『罠が仕掛けられた感がある』、『告発者の在り方はゲスの極みだ』と、告発した一色武氏の証言の信憑性を貶めるような発言をしていましたが、罠だろうと、何だろうとカネを受け取っている以上、そんな言い訳は引かれ者の小唄。それ以上に、そんな二心を持った人物を見分けられないようでは恥の上塗り。政治家失格と言われても仕方ないだろう」

「告発した一色武氏が只者でないということは、常に会話を録音したり、渡した紙幣をコピーするなど、告発の手際が良すぎる点からも分かりますが、そもそも清島秘書と一色氏はどうやって知り合ったのですか?」

「ウチの取材によれば、清島秘書と旧知の間柄のM某が一色氏を紹介。そして、そのMと親しい右翼団体に属するT某が薩摩興業の寺床博好社長と昵懇で一色氏に繋がるラインが出来たそうだよ」

「そうすると黒幕は寺床社長とT某ですか?」

「まだ本人に直接、話を聞いていないので断定は出来ないが、少なくとも表で踊った一色氏だけの仕事でないのは確かだ」

「一色氏は、八王子の右翼団体の前にも、神奈川県の同和団体や右翼団体とも関係があったと言われていますが…」

「平塚のI某、相模原のN会とも接触があったようだが、それは薩摩興業が登場する前の話で、今回の騒動とは無関係だ」

「さすがは全国紙。全然、記事にはなっていませんが、凄い取材力ですね」

「嫌味に聞こえるなあ(笑)。まあ、部数が多いと色々あって書けないこともあるんだよね」

「それと『5億円は堅い』と言ったらしい元閣僚って誰ですか? 出来れば誰かさんみたいに(笑)イニシャルでなく、実名でお願いしま〜す」

「6年ほど前に政界を引退した青森の田名部匡省元農水相だよ」

「田名部氏は、確か民主党でしたよね。ヤレヤレ(笑)」

「直接関係ないとはいえ、よくよく考えれば同じ穴のムジナ。国会での追及も返り血を浴びかねないだけに、途中で及び腰になるんじゃないかな?(笑)」

「パンツ大臣のクビすら獲れない有様ですからねえ。こんな絶好のチャンスすらモノに出来ないようでは、絶対に民主党に明日は来ないですよね」

「ところで、今回の件で東京地検特捜部は出動するのですか?」

「う〜ん。ここまで証拠がキッチリと揃っていれば、本来なら当然、特捜部の出番なんだけど、どうかな?」

「『どうかな?』って、どういうことですか?」

「告発者の属性のせいなのか、特捜部じゃなく警視庁捜査2課、さらに捜査4課の合同捜査になるのでは?という声も聞こえている」

「特捜部にとっては久しぶりに政界に斬り込む好機なのに…」

「一部には告発者の口封じのために、甘利事務所を道具にしたURに対する恐喝罪で逮捕する?という噂も飛んでいるぐらいだ」

「権力は何でも出来るとはいえ、そこまでやれば中国や北朝鮮と同じじゃないですか!」

「可能性は極めて小さいとはいえ、政権の浮沈が懸かっているとなると、分からんぞ(笑)」

「怖い話ですね」

「まあ、順当に考えれば、辞めた清島、鈴木両秘書の政治資金規正法違反と斡旋利得処罰法で幕引きだろうな」

「甘利前大臣まで手は伸びないんですか?」

「相当にハードルが高いし、今までこの法律で起訴できたことは一度もない。面談時の録音テープの中に大臣が関与している会話でもあれば別だが、まず無理だろう」

「初めてだけに、先鞭を付ける意味でもやる意義はあると思うんだけど…」

「続投宣言の翌日の辞任だぞ。落としどころは決まったからの辞任と見るべきじゃないかな(笑)

「一件落着、『前例踏襲、特捜部未だ冬眠中』というわけですか!(笑)」

「しかし、いくら甘利前大臣がセーフになったにしても、一般国民にしてみれば、たかが1200万円で足許を掬われるような大臣がTPP交渉を仕切っていたことをどう思いますかね」

「『タフネゴシエーターの正体見たり』――国民の意識以前に、海外の日本を見る目は相当に白くなるのは仕方あるまい」

「しかも、後任が環境相時代に『金目発言』で無能ぶりを発揮、失脚した石原伸晃氏なんですから、何をか況や。あの漢字の読めない大臣ですら、唇をいつも以上に曲げて心配していました」

「第1次政権の時は、自殺した松岡農相の後をとった赤城農相にスキャンダルが噴出、政権の投げ出しにつながりましたが、今回も嫌な予感がしてなりません(笑)」

「振り返れば甘利前大臣は、山拓派の大番頭役だったのに、そこへ石原氏が加入したことで居場所がなくなり安倍首相の許に馳せ参じたことで重要閣僚の地位に就いたのに失脚。しかもその後釜に石原氏が就任するとは、皮肉というしかありません」

「TPP交渉をまとめたことで、ポスト安倍の有力候補にまで出世したにもかかわらず思わぬことで失脚。本人は一から出直すとカムバックを口にしているが、たとえ特捜の手から逃れられたとしても完全に落馬。総裁レースへの参加資格は霧消したと言ってもいいだろうな」

「それにしても、先日の辞任会見の際の記者たちの質問を聞いていて唖然とさせられたのは、記者たちの質問のレベルの低さです。風俗記者の私ですら、もっと鋭い質問をしろよと思ったほどヌルイ質問ばかりで、この人たちに社会の木鐸を名乗る資格はないと思いました。なかでもCさんのご同業のFテレビのW編集委員の『支援者と称する人間が手のひらを返し、敵対行為に走った。いい悪いは別にして、どう思うのか。どうすれば避けられると思うか』という意味不明の質問には、笑うというより呆れてしまいました」

「同業者の悪口は言いたくありませんが、あの質問だけはピント外れもいいところ。あれでは提灯マスコミ以下だと思ったよ」

「最後に甘利事務所の口利きで、唯々諾々と薩摩興業に2億2000万円の補償費を出したURはお咎めを受けないのですか?」

「さっきもBさんが言ってたようにURは国交省が全額出資した独法だが、それこそすべてが伏魔殿みたいな組織だ。仮に甘利事務所の口利きに応じていたことが証明されたとしても、斡旋利得罪には問われなことをいいことに『甘利事務所から問い合わせはあったが、2億2000万円は適正に評価した数字です。商品券など受け取っていません』と涼しい顔で答えるだろうな。残念ながらセーフだろうな」

「結局は『大山鳴動 秘書2人』でチョン!ですかね」


――そろそろ予定時間です。ドン・キホーテの労基法違反事件は次回に譲るとして、今日はこの辺でお開きにしたいと思います。


ありがとうございました。








 
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