初めまして、早稲田大学3年の鈴木美南と申します。
今回株式会社Traimmuさんが企画した"現役経営者の1日カバン持ちインターン"に、株式会社DeNA会長兼Founderの南場智子様のカバン持ちとして参加させて頂きました。
このインターンに応募した理由は、以前DeNAの会長である南場さんがおっしゃっている「ことに向かう」(http://matome.naver.jp/odai/2137283171836034701)という考え方に感銘を受けて以来、南場さんが現場でどのように「ことに向かう」を実践されているのか、この目で確かめてみたいと思ったからです。
実はインターン直前の一週間に、南場さんが夢に何度も登場しては起きてしまったくらいに緊張してこの日を迎えたのですが、結論から言うと、私はこの一日の終わりには ”DeNAの仲間に入りたい!”という気持ちでいっぱいになるほど充実した一日を過ごすことが出来ました。
その理由も含め、南場さんと一日のトイレ以外の時間を全て共有させて頂く中で、私が見て聞いて感じたことをそのまま書いていこうと思います。
当日朝、南場さんとお会いする前に、秘密保持契約にハンコを押し、ミーティングの内容等について口外しないことを約束しました。なので絶対に違反しない範囲で出来るだけ詳しく記事を書いていきたいと思います。
次に人事の阿久澤さんに、渋谷ヒカリエにあるDeNAのオフィスを案内して頂きました。
まだ朝の8時でしたが、すでにデスクで仕事を開始されている社員の方もいらっしゃいました。
オフィスの中は私がイメージしていたような「The 会社」という雰囲気とは違い、開放感があり自由な雰囲気が感じ取れました。
そして8時50分頃、いよいよ南場さん本人にお会い出来る瞬間がやってきました。
執務室にいらっしゃった本物の南場さんは、テレビで見る印象通りの気さくな方でしたが、正直にいうと私はこの時とても緊張していて、南場さんが目の前にいらっしゃる実感が持てませんでした。ただ、肌がとても綺麗だなあと思ったことだけは鮮明に覚えています。
緊張しながらも挨拶をした後、早速南場さんより一日のスケジュールを教えて頂きました。
一つも同じ事業についてのミーティングがなく、内容を見ただけでDeNAという会社がいかに幅広い分野に渡って事業を運営しているのかがよく分かりました。私はありがたいことに朝の取締役のミーティング以外の全てに同席させて頂くことが出来ました。
時間軸に沿って書いていくととても長くなってしまうので、私が一日を通してDeNAについて感じたことを三つ書きたいと思います。
あるミーティングの中で、何年後かの日本について議論している時があり、「私たちが今住んでいる日本はこういう人達によって作られてきたんだ」と感じる場面がありました。具体的に国家と共同で進めていくような大きな話を目の前で聞いたのは初めてだったのでとても衝撃を受け、「私が気楽に大学に行ったり友達と遊んだりしている間にも、世の中はこういう方達によって変えられていくのか」と、焦るような恐ろしいような気持ちになりました。その一方でいつか自分もこのような規模の話が出来る人になれるよう、一日一日の過ごし方をもう一度見直さなければならないと決意する瞬間にもなりました。
私は南場さんに一日ついてまわったので、もちろん私が同席させて頂いたミーティングには全て会長である南場さんが参加されていたのですが、社員の方々と行われるどのミーティングにおいても南場さんはあくまで一人の参加者といった感じで、参加されている社員の方一人一人がリードして事業を引っ張っているのだと感じました。皆が立場に関わらず発言していて、この会社なら「上が言ったからやる」というような受け身の選択は絶対になされないと思えた程、社員の方一人一人が自分主導で仕事を行っていました。
DeNAといえばクールで論理的な人々が働いている場所、という印象が強かったのですが、実際にはむしろ一人一人が熱意にあふれた、部活みたいな会社だなと思いました。ミーティングの中でも「なぜその事業をやるのか」という想いの部分を一番大事にしていて、それが源泉にあるからこそ、上下関係が見えないほど全員が主体的に参加するようなミーティングになるのだと思いました。
大変忙しい一日でしたが、移動中のタクシー内や、合間に取ってくださったお茶の時間に、南場さんと二人でお話することができました。
南場さんのお好きな本、マッキンゼー時代に実践していた「怒られない方法」など大変貴重なお話を聞かせて頂いただけでなく、私のような一大学生の人生について真剣に聞いてくださり、本当に愛のある方だなあと思いました。
私は以前から不格好経営を読んだり、様々なメディアで南場さんのお話を聞いたりしていたのですが、実際に一日行動を共にさせて頂く中で、それまでの想像を遥かに超える南場さんの色々な側面を見ることができました。
「DeNAを作り上げたすごい人」という印象そのままの南場さんから、間違えて乗った下りのエスカレーターを全力で駆け上がる少年のような南場さんまで、様々な一面があり隣で観察しているだけで面白かったです。一日を通しての南場さんは同じ人とは思えない程でした。
この日の最後には、ご家族との夕飯の場所の近くまで南場さんのカバンを持ち、30分程南場さんのウォーキングにお供させて頂きました。遂に南場さんのカバンを持つことができた嬉しさと、更に南場さんと二人でお話し出来ることへの嬉しさで、颯爽と歩く南場さんにヒール靴でついていくのも苦ではありませんでした。
ここでも南場さんの留学時代のお話や、仕事について、幸せについてなど様々なお話を伺い、南場さんの醸し出す厳しくも温かい人柄の魅力にすっかり引き込まれてしまいました。
仕事が終わって疲れているはずなのに、お話をしたり電話をしたりしながら颯爽と歩く南場さんを見て、このエネルギッシュさは一日を通して感じたDeNAのエネルギッシュな雰囲気と全く同じだなと感じました。
最後にいつか横浜DeNAベイスターズのオリジナルビールを奢ってくださるとの約束をして、お別れをしました。いつか約束が果たされる日がとても楽しみです。
私は、カバン持ちインターンの一日を通して、南場さんがDeNAを経営されている姿、そしてDeNAの社員の方々が働いている姿から「ことに向かう」を肌で感じることができました。
南場さんから「経営とは何か」というような直接的なお話はなかったのですが、南場さんの一日を見て、「大企業を経営する」ことはそれ自体が一つの何か特別大きい仕事なのではなく、毎時間ごとに行われるのミーティング、電話、メールといった一つ一つの仕事の集合なのだということを実感しました。
目の前で行われているミーティングは全て生々しい内容で、どれ一つとっても簡単に決まる内容などありませんでした。こんな生々しさ、困難と毎日向き合い、考えて行動することが「経営をする」ということであることに気づき、その泥臭い姿勢こそが「ことに向かう」姿勢であるということ、そして、かっこいい仕事などこの世に一つもないということも分かりました。ただ、その生々しい仕事に向き合っている南場さんやDeNAの社員の方々の姿は、客観的に見ると本当にかっこよく、また楽しそうに見えました。
私は、この一日を通して学んだことや感じたことを活かし、熱意を持って一つ一つの仕事それ自体に向かうこと=「ことに向かう」ことを胸に、生きていきたいと思いました。
このような貴重な経験をさせて頂き、本当にありがとうございました!