字幕放送用字幕とは、通称「クローズド・キャプション」(以下、CC)と言われます。
これは、聴覚障害者の方のための字幕なので、演出用のテロップと違い、話している言葉全てを字幕にしているのと、
字幕自体をON(表示)/OFF(非表示)できるのが特徴です(注1)。
よって、必要な人だけが見て、不要な人は見ない(クローズする)のです。
これに対し、映画の字幕などは、視聴者全てが見ることができる字幕なので、
「オープン・キャプション」(以下、OC)と呼ばれています。
最近では、総務省の指針により、多くの番組にCCが付くようになりました。
CCは、特殊なルールに基づいて制作されています。
例えば、ドラマの主役のセリフには色がついていたり、セリフの頭に話者の名前が付いていたり、
音楽が流れているときは、♪マークを、携帯電話が鳴っているときは、
携帯電話のマークが点滅したり…と、聴覚障害者の方でもテレビを楽しむことが出来ます。
このようなCCの制作作業はとても大変!時間との戦いなのです!
番組を収録したテープを受け取ってから放送時間までは、わずかな時間しかありません。
なので、映像を数人で分担して字幕データを制作し、最後にデータを合体させ、通しでチェックを行います。
放送に使用するものですから、プロによる厳しいチェックが繰り返されます。
こうして出来た字幕データは、映像に重畳され、放送されるのです。
皆さん、是非ご覧になってみてください!!
(注1):デジタルテレビでは、字幕放送用字幕は見ることが出来ますが、
アナログテレビの場合は、別途専用デコーダーを購入する必要があります。
もう皆さんご存知だと思いますが、ワンセグとは携帯電話向け地上デジタル放送のこと。
最近では、電車の中で携帯電話を使って、テレビを見ている人を見かけますが、
この時に役に立つのが、ワンセグ用字幕です。(注1)
音が聞き取りづらい電車の中でも十分テレビを楽しむことができます。(注2)
この字幕は、字幕放送用字幕と同じデータを利用しているので、
テレビで見るのと同じように見ることが出来るのです。(注3)
通勤だけでなく、待ち合わせの時でも、ワンセグ放送と字幕さえあれば、
時間の流れも早く感じるはず…?
それにしても携帯電話の機能の多さには驚きです。
(注1)字幕放送対応番組を視聴している時のみです。
(注2)音を出していても、メニューで字幕表示を選択できます。
(注3)字幕表示方法は、携帯電話本体の機種に依存します。