浜岡原発5号機 中部電力の調査結果だけでは評価できず

浜岡原発5号機 中部電力の調査結果だけでは評価できず
5年前、配管が壊れ原子炉などに海水が流れ込んだ、静岡県にある浜岡原子力発電所5号機について、原子力規制委員会はこれまでの中部電力の調査結果だけでは影響を評価できないとして、今後、再稼働の前提となる審査が申請されたあとに確認することにしました。
浜岡原発5号機は5年前、政府の要請を受けて原子炉を停止する際に配管が壊れ、原子炉などにおよそ400トンの海水が流れ込むトラブルがありました。
これについて中部電力は去年12月、▽原子炉の核分裂反応を抑える制御棒などは、腐食が機能に影響する可能性があり交換する。▽原子炉や冷却設備の腐食は軽微で、一部のポンプや弁を補修すれば今後も使用できるとする調査結果をまとめています。
13日の原子力規制委員会では、腐食の影響を評価するには、冷却設備全体を動かして性能を確認する必要があり、これまでに中部電力が示した調査結果だけでは評価できないという見解が示されました。そのうえで、冷却設備の補修工事は、新しい規制基準に基づいた対策と合わせて行われるものもあるため、中部電力が5号機の再稼働の前提となる審査を申請したあとに、原子炉や冷却設備が継続して使用できるか確認するとしました。
中部電力は浜岡原発5号機の審査の申請時期を示しておらず、「新しい規制基準を踏まえた対策を含めた、全体的な計画を取りまとめたうえで方針を決めたい」としています。