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第357回(2016年4月12日)

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政治経済レポート:OKマガジン(Vol.357)2016.4.12

今回のテーマは「パナマ文書」。各国首脳や富裕層の租税回避行動の一部が明らかになり、物議を醸しています。明後日14日から開催されるG20(主要20か国財務相・中央銀行総裁会議)でも租税回避・課税逃れ対策、監視強化が議題になるようです。

1.タックス・ヘイブン

「タックス・ヘイブン(Tax haven)」とは、課税が著しく軽減または免除されている国や地域のこと。「租税回避地」と訳されます。

英語の「haven」の意味は「避難場所」。「heaven(天国、楽園)」ではありません。フランス語では「パラディ・フィスカル」つまり「税の楽園」ですが、英語では「税の楽園」ではなく「租税回避地」です。

その起源については諸説あります。産業の乏しい島嶼諸国が貿易拠点となることを企図して税や入港料を減免したのが始まりのひとつ。寄稿船の船員の消費活動等によって、街が潤うことを期待したのでしょう。

最近では、金融取引の中継地として利用されることを企図したタックス・ヘイブンが主流。減税措置や簡便な法人登記・市場取引・外貨決済等がセールスポイント。その意味では、ロンドンの「シティ(金融特区)」が世界最大のタックス・ヘイブンです。

島嶼諸国タックス・ヘイブンの代表例はケイマン、バージン諸島等のカリブ海諸国。ケイマンの外国企業に対する法人税減免措置は、宗主国である英国シティの制度を模倣したそうです。

今や世界の多くの企業が租税回避を企図してタックス・ヘイブンを利用。こうした租税回避行動に対し、各国徴税当局はタックス・ヘイブン対策税制を整備して対抗しようとしています。

例えば日本。タックス・ヘイブンに所在する子会社の所得を日本の親会社の所得に合算して課税。二重課税ではなく、タックス・ヘイブンと日本の税率の差に相当する額を追加課税します。

また、海外隠し資産による租税回避行動の監視強化のため、2018年から40カ国超の税務当局と連携し、日本人・日本企業の海外口座情報を国税庁に集約させる方針です。

タックス・ヘイブンは税務当局による情報把握が困難という点に着目し、暴力団やマフィア等のアングラマネー(闇資金)のマネーロンダリング(資金洗浄)にも悪用されており、規制・情報集約は当然のことです。

OECD(経済協力開発機構)も規制に着手。OECDの基準では「金融・サービス等の活動から生じる所得に対して無税としている、または名目的にしか課税していないこと」に加え、次の3項目にうち、いずれかひとつに該当する非加盟国・地域を有害なタックス・ヘイブンと認定しています。

すなわち「他国と実効的な情報交換を行っていないこと」「税制や税務執行につき透明性が欠如していること」「誘致される金融・サービス等の活動について、自国・地域において実質的な活動がなされることを要求していないこと」の3項目。

2013年、OECDはG20加盟国とともに課税回避行動を抑止するために「BEPS行動計画」を発表。

「BEPS」とは「税源侵食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting)」の略。悪質な租税回避行動の捕捉・是正を企図し、外国子会社に対する合算税制の強化、租税条約濫用防止などを目指しています。

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