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 夏の参院選の前哨戦となる衆院北海道5区と京都3区の両補選が12日告示された。北海道5区では自民公認と無所属の「野党統一候補」が対決。京都3区では、民進党など野党3党の公認を含む6人が立候補した。いずれも24日に投開票される。

 自民の谷垣禎一幹事長は12日朝、札幌市厚別区で「アベノミクスを力の限りやってきた。デフレ脱却まであと1歩。今回の補選は日本の政治の安定をつくるために極めて大事な選挙だ」と訴えた。民進の岡田克也代表は同日朝、京都市伏見区で「安倍政治の暴走にストップを」と強調。「(政権は)昨年の安全保障法制で勝手に憲法解釈を変えた。格差拡大を止めるためにも、みなさんの意思を示して」と述べた。

 北海道5区補選は、町村信孝・前衆院議長の死去に伴うもので、「与党」対「野党統一」の戦いとなった。同様の構図が広がる参院選1人区の行方を占うとともに、安倍晋三首相が衆参同日選に踏み切るかどうかの判断材料の一つになりそうだ。安倍政権の経済政策「アベノミクス」や環太平洋経済連携協定(TPP)への評価、5区内に駐屯地がある自衛隊の活動拡大につながる安全保障関連法の是非も論戦の焦点となる。

 立候補したのは、自民新顔の和田義明氏(44)=公明党、日本のこころを大切にする党推薦=と、無所属新顔の池田真紀氏(43)=民進党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたち推薦。

 和田氏は町村氏の次女の夫で、地域経済の活性化などを訴え、地域政党「新党大地」の協力も取り付けた。池田氏は、安保法廃止をめざす野党4党や市民団体が支援し、格差拡大の阻止などを掲げる。

 京都3区補選は、育休宣言後に不倫が発覚した宮崎謙介・前衆院議員(自民を離党)の辞職に伴うもの。自民は宮崎氏への批判や政権への影響を意識して、候補者の擁立を断念。公明党も自主投票を決めた。

 旧民主党と旧維新の党の合流で誕生した民進が公認を立てた初の国政選挙で、党勢をはかる機会となる。大阪が拠点のおおさか維新の会が京都で存在感を示せるかも注目される。共産は野党連携を念頭に候補擁立を見送り、自主投票で臨む。

 立候補した6人は、日本のこころ新顔の小野由紀子氏(37)=新党改革推薦=、無所属新顔の田淵正文氏(57)、幸福実現党員で新顔の大八木光子氏(31)、おおさか維新新顔の森夏枝氏(34)、民進前職の泉健太氏(41)=社民推薦=、無所属新顔の郡昭浩氏(55)。