ものすごーく分かりやすく説明するために数字はかなり極端にした。
どっちも仕入額は4万で、1台売れると量販店のC社は1万儲かる。
土日でパソコンが50台売れるとすると50万儲かる。
この儲け方を純利益と呼ぶことにする(本当は全然違うけど、ここではそうします)。
この50万円を目指すだけだったら、
S社が25台売れてN社が25台売れても良いし、
S社が49台売れてN社が1台売れても同じ。
そこでS社が「土日の2日間でうちのパソコンを51台売ってくれたら追加で200万円C社さんに支払います」という。
メーカー(この場合はS社)が一番欲しいのはシェアであり、S社のパソコンを使っているお客様が世の中に増えることだからだ。
量販店がお客様に幾らで売ろうが知ったことではない。重要なのは、お客様が買ったパソコンが「S社製」であることだ。
そうすることで、そのお客様はテレビもスマホもS社製を選んでくれるようになるからだ。
その為にこの200万円は惜しまない(この200万円の呼び方は色々あるが、ここでは「インセンティブ」とする)。
もちろん店頭には「店員のオススメ!」って書いてS社のパソコンを並べる。
N社のパソコンでは到底やらないような価格交渉も、もう一押しでS社のパソコンを買ってくれそうなお客様が相手にだったら凄まじく応じる。
なんなら仕入額4万のパソコンを39,800円にしちゃったりする。
S社が25台売れてN社が25台売れても50万の儲け、
S社が49台売れてN社が1台売れても50万の儲け、
S社が50台売れてN社が1台も売れなくても50万の儲け、
ここまでは同じ。
ただし、S社の51台目が売れるときは一気に250万の儲けになる。
この51台目はお客様との値引き交渉の末、3万で売ってしまっても(つまり1台分赤字にしても)、200万円のインセンティブと相殺して有り余るお釣りがくる。
そういうわけで、インセンティブの条件を達成できそうな見通しが立ち始める45台目くらいから、店員の方が「超絶値引きますから"今日"買ってください」ってテンションになってくる。
お店に入ってS社のパソコンを眺めているだけで、いきなり店員の側から「これ今なら値引きできますよ」って声を掛けてきたりする。
純利益なんてのは比にならないくらい、インセンティブで儲かるのだ。
さらに言えば、この条件下では
S社のパソコンは50台目までは儲けがゼロだが、51台目が売れた瞬間、インセンティブの200万円が入る。
つまりN社のパソコンを200台売ったのと同じだけ儲かるのだ。
5万のパソコンを土日とはいえ2日間で200台売るのは難しい。
20人の店員を雇ってN社のパソコンを200台売るより、5人の店員を雇って「1万円安いS社のパソコン」を50台売る方が遥かに効率が良いし、人件費も抑えられる。
(もちろん、さすがにこんな極端なことはしないが)
S社「先週はありがとうございました。申し訳ありませんが今週はインセンティブ出せません。」
日本メーカーはこういうゲスい商売をやってる事がなんとなく分かるから 実店舗じゃなく楽天でもなくAmazonで買うんだよ。 いつ見てもそれなりに安いし、評価はそれなりにフェアだしさ...
お前・・・・消されるぞ。 ここは完全匿名じゃないんだぜ。