Facebookは2016年4月12日(現地時間)、F8カンファレンスにおいて、開発者がMessenger上にチャットボットを作成できるMessengerプラットフォーム(β版)をローンチし、Send / Receive APIを公開した。
これによりMessengerを通してボットを利用した効率的なカスタマーサービスシステムの構築が可能となる。
ボット(Bot)
Messengerプラットフォーム上でボットを利用することによって、天気や交通情報をはじめ領収書の発行、荷物の発送状況など顧客に応じてカスタマイズされたメッセージ、さらには顧客とのリアルタイムなメッセージのやり取り等、対話的なリアルタイムのコミュニケーションを自動的に行うことができる。
<画像引用元:Messenger>
また今後の可能性として、自然言語からの意図を解釈することができ、継続的に時間をかけて学習機能をもつといったような複雑なボットの開発を可能とする “Wit.ai’s Bot Engnine ” の可能性についても言及した。
The Messenger Send / Receive API を公開
すべての開発者そしてビジネスはMessengerのボット構築のためのドキュメントにアクセスすることが可能だ。
尚、公開された“Send / Receive API”ではテキストのみならず、画像や、リンクや行動を促すコールトゥアクションを送信することが可能となっている。
<画像引用元:Messenger>
Messengerでつながりやすく
多くのユーザーがコミュニケーションを行っているMessengerの中で、顧客とビジネスが簡単につながることが可能なように、 ”ユーザーネーム” や ”Messengerコード” 、さらには今後Messenger画面のトップに表示される ”検索バー” などが用意された。(参考:FacebookとMessengerで、ビジネスがもっとみつかりやすく | Facebook for Business)
MessengerリンクやMessengerコードを広告やウェブサイトなどのマーケティングチャネルに掲載することによって、リーチした人々にメッセージでのやりとりを促すことが可能となる。
- 「Messengerリンク」とは:
Facebookページのユーザーネームを使用した、短く覚えやすいリンクで、このリンクをクリックまたはタップするだけでMessengerで会話を始めることが可能。「m.me/username」で、「m.me/」にFacebookページのユーザーネームをつなげたもの (例えば、m.me/JaspersMarket) - 「Messengerコード」とは:
Messengerリンクと同等の機能を持ったコード(画像)でFacebookページの受信箱からダウンロード可能。Messengerコードをスマートフォンのカメラで読み取ることによってMessengerで会話を始めることができる。
<画像引用元:Facebook for business >
コミュニケーションを希望しないユーザーはブロック可能
一方でFacebookは、Messenger上で顧客とユーザーがつながる際、事業者からのメッセージを受け取る人々に意味のある価値を提供するものであるということを重視している。
ユーザーは希望しないコミュニケーションを受けることをミュート及び、ブロックすることが可能だ。
最後に
Messengerプラットフォームとボットに関するF8でのリリースについては、おおかたの予想通りで驚くべき発表があったとはいえないかもしれない。しかしながら、今後、現在9億人という膨大なユーザー数をもち、さらに成長を続ける Messengerの可能性は広告プラットフォームとしての可能性も含めて、非常に大きいといえる。
また、当然のことながら、SNSとボットはFacebookに限らず、間違いなく注目すべきのテクノロジーとして引き続き注目していきたい。
<参考>
<執筆:松元>