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 スイス・ジュネーブの司法当局は12日までに、ナチス・ドイツが第2次世界大戦中の1939年にユダヤ人画商から奪ったとされるモディリアーニの絵画を差し押さえたことを明らかにした。「パナマ文書」で所有者が判明したという。

 地元紙「ルマタン」やAFP通信などによると、この作品は18年作の「杖をついて座る男」。2500万ドル(27億5千万円)程度の価値があるとされる。司法当局が、ジュネーブの「自由港」と呼ばれる外国貨物を関税が課されないまま保管できる特区の施設で見つけた。

 この作品は、96年のオークションで、中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」が設立した法人によって落札されたとされる。その後、ユダヤ人画商の子孫が返還を求めていたが、法人の所有者が匿名だったため難航していた。

 しかし、モサック社から流出した「パナマ文書」によって、法人の実質的なオーナーが美術収集家の富豪だと判明。スイス当局の対応が注目されていた。(ジュネーブ=松尾一郎)

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