こんにちは。
「本屋大賞」は全国の書店員が、日本の小説の中からいちばん売りたい本を投票によって選ぶ賞として2004年に創設されたものですので、私たちが手に取りやすく親しみやすい本が選ばれることが多いですし、私は本屋そのものが好きなので、本屋を応援したいというよく分からない偽善心からでもあります。
そこで、本屋大賞で選ばれた作品で、一番面白いのはどの本だ?ということが気になりまして、ランキングにしてみよう!と思い立ちました。
本屋大賞のサイトで公表されている選考方法等を元に、次のとおりのルールでランキングにすることにしました。
(本屋大賞サイト・http://www.hontai.or.jp)
まずはこちら↓を読んだ上で、ランキングを見てください!
本屋大賞とは?
本屋大賞とは、売り場からベストセラーをつくるべく設立された賞です。
本が売れない時代と言われます。出版市場は書籍、雑誌とも年々縮小傾向にあります。出版不況は出版社や取次だけではなく、もちろん書店にとっても死活問題です。 その状況の中で、商品である本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、ひいては出版業界を現場から盛り上げていけないかと考え、同賞を発案しました。
(本屋大賞とは | 本屋大賞より参照)
つまり、本屋大賞に選ばれた本は「全国の書店員さんが選んだ一番売りたい本」なのです!
対象となる本は?
毎年、12月1日〜2015年11月30日の間に刊行された日本の小説が対象です。
選考方法は?
新刊を扱っている書店の書店員であること
(1) 一次投票で一人3作品を選んで投票
(2) 一次投票の集計結果、上位10作品をノミネート本として発表
(3) 二次投票はノミネート作品をすべて読んだ上で、全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票。
(4) 二次投票の集計結果により大賞作品を決定
投票の得点換算は、1位=3点、2位=2点、3位=1.5点
ランキングの方法
本屋大賞は、二次投票の集計結果により大賞作品を決定しており、その点数もホームページで公表されています(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞)。
ここでは、その得点を元にランキングすることにしました。
しかし2004年の本屋大賞1回目は二次投票者93人に対し2015年の本屋大賞12回目は二次投票者342人でした。二次投票者は年によってばらつきがあるので、公表されている得点をそのまま使って、ランキングをつけても意味がありません。
そこで、毎年の二次投票書店員数を100とした場合の得点を算出しました。
例えば
・2004年1位 『博士の愛した数式』著/小川 洋子(新潮社)
得点 202点
投票した書店員数 93人
202点 × (100÷93) = 217ポイント
・2015年1位 『鹿の王』著/上橋菜穂子(KADOKAWA 角川書店)
得点 383点
投票した書店員数 342人
383点 × (100÷342) = 111ポイント
*小数点以下は切り捨て
ただし、2007年の2次投票した書店員数が公表されていません。
そこで、一次投票した書店員数2006年から2007年への増加率を、2006年の二次投票した書店員数にかけて算定しております。
(本屋大賞の実行委員会にメールして聞いてみたけど返事がありません・・・。)
そもそも本屋大賞の得点は、他の年と比較することを想定していません。
どんなに面白い本でも、同じ年に面白い本がたくさんあれば、得点が分散し低くなってしまいます。
他の年の本と比べる指針にするには問題ありありなんですですが、そのままの得点で比較するよりは多少はマシだろうということで、この方法でランキングにしてみました〜。
いろいろご意見あるとは思いますが、このランキング方法に問題があることは承知の上ですので、ご勘弁くださいませ。
(こういうランキングを作ったことについては、本屋大賞のHPから問い合わせを通じて、本屋大賞の運営へ連絡しております。叱られませんように・・)
いざ!ランキング発表!!
第13位【87ポイント】 2011年第1位
『謎解きはディナーのあとで』 著/東川篤哉(小学館)
内容紹介
令嬢刑事×毒舌執事コンビの傑作ミステリ
国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。『風祭モータース』の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。
大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替えてディナーを楽しむ麗子だが難解な事件にぶちあたるたびに、その一部始終を相談する相手は”執事兼運転手”の影山。
「お嬢様の目は節穴でございますか?」
暴言すれすれの毒舌で麗子の推理力のなさを指摘しつつも、影山は鮮やかに謎を解き明かしていく――
(謎解きはディナーのあとで (小学館文庫) | 東川 篤哉 | 本 | Amazon.co.jpより)
* 2011年の受賞作
第12位【90ポイント】2013年第1位(278点)
『海賊とよばれた男』著/百田尚樹(講談社)
内容紹介
一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。
石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。
「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。
*2013年受賞作
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 より)
第11位【94ポイント】2014年第1位(366.5点)
『村上海賊の娘』 著/和田竜(新潮社)
内容紹介
『のぼうの城』から六年。四年間をこの一作だけに注ぎ込んだ、ケタ違いの著者最高傑作! 和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる! 第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。
(村上海賊の娘 上巻 | 和田 竜 | 本 | Amazon.co.jp より)
*2014年受賞作
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞より)
第10位【96ポイント】2006年1位
『東京タワー』 著/リリー・フランキー(扶桑社)
内容紹介
オカン。ボクの一番大切な人。ボクのために自分の人生を生きた人―。四歳のときにオトンと別居、筑豊の小さな炭鉱町で、ボクとオカンは一緒に暮らした。やがてボクは上京し、東京でボロボロの日々。還暦を過ぎたオカンは、ひとりガンと闘っていた。「東京でまた一緒に住もうか?」。ボクが一番恐れていたことが、ぐるぐる近づいて来る―。大切な人との記憶、喪失の悲しみを綴った傑作。
(東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン (新潮文庫) | リリー・フランキー | 本 | Amazon.co.jpより)
*2006年受賞作
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 より)
内容紹介
四代将軍家綱の治世、ある事業が立ちあがる。それは日本独自の暦を作ること。当時使われていた暦は正確さを失いずれが生じ始めていた−−。日本文化を変えた大計画を個の成長物語として瑞々しく重厚に描く時代小説!
(天地明察(上) (角川文庫) | 冲方 丁 | 本 | Amazon.co.jpより)
*2010年受賞作
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 より)
第8位【112ポイント】2016年第1位(372点)
『羊と鋼の森』著/宮下奈都(文藝春秋)
内容紹介
ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」
ピアノの調律に魅せられた一人の青年。
彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。
*2016年受賞作
(本屋大賞より)
第7位【111ポイント】2015年第1位(383点)
『鹿の王』 著/上橋菜穂子(KADOKAWA 角川書店)
内容紹介強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。その頭であったヴァンは奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、一群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼子を拾い、ユナと名付け、育てるが―!?厳しい世界の中で未曾有の危機に立ち向かう、父と子の物語が、いまはじまる―。
*2015年受賞作
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 より)
第6位【115ポイント】2009年第1位(411点)
『告白』 著/湊かなえ(双葉社)
内容紹介
(告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) | 湊 かなえ | 本 | Amazon.co.jp より)「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。
*2009年受賞作
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 より)
第5位【131ポイント】2008年第1位(509.5点)
『ゴールデンスランバー』 著/伊坂幸太郎(新潮社)
内容紹介衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
(ゴールデンスランバー (新潮文庫) | 伊坂 幸太郎 | 本 | Amazon.co.jp)
*2008年受賞作
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 より)
第4位【137ポイント】2012年第1位(510点)
『舟を編む』 著/三浦しをん(光文社)
内容紹介玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説。
(舟を編む (光文社文庫) | 三浦 しをん | 本 | Amazon.co.jp より)
*2012年受賞作
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 より)
第3位【149ポイント】2007年第1位(475.5点)
『一瞬の風になれ』 著/佐藤 多佳子(講談社)
内容紹介あさのあつこの『バッテリー』、森絵都の『DIVE!』と並び称される、極上の青春スポーツ小説。
主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連だ。新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。夢は、ひとつ。どこまでも速くなること。信じ合える仲間、強力なライバル、気になる異性。神奈川県の高校陸上部を舞台に、新二の新たな挑戦が始まった――。
(一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫) | 佐藤 多佳子 | 本 | Amazon.co.jp より)
*2007年受賞作
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 より)
第2位【200ポイント】2005年1位(374点)
『夜のピクニック』 著/恩田 陸(新潮社)
内容紹介
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。
(夜のピクニック (新潮文庫) | 恩田 陸 | 本 | Amazon.co.jpより)
*2005年受賞作
![]()
(これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 より)
第1位【217ポイント】 2004年第1位(202点)
『博士の愛した数式』 著/小川 洋子(新潮社)
内容紹介
家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。
(博士の愛した数式 | 小川 洋子 | 本 | Amazon.co.jp より)
*2004年受賞作
最後に
第1位は「博士の愛した数式」でした。本屋大賞開催初年度でしたので、二次投票者が少なかったことが大いに影響しているものと思われますが、初めての表彰開催の年に多くの書店員さんが協力されたということを評してということにしておきましょう。
ではでは、素敵な読書ライフをお過ごしください!
*新書のおすすめは?