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文春「報じるべきは権力者の不都合な真実」 新潮「大人読むに足りる紙面作る」 週刊誌「冬の時代」に存在感
出版科学研究所が年明けに発表した昨年の週刊誌の販売額は前年比13.6%減と大きく落ち込んだ。読者の高齢化やネットとの競合といった逆風下で、政界や芸能界のスクープを連発する「週刊文春」(文芸春秋)と、出版社系週刊誌の先駆けで今年創刊60年を迎えた「週刊新潮」(新潮社)が独自の報道で存在感を示している。両誌の編集長に「冬の時代」に挑む戦略を聞いた。
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文春 スクープこそブランド
「『本当に読みたいものであれば売れる』と再認識できたのは大きい」と手応えを語るのは週刊文春の新谷学編集長(51)だ。
販売部数は約41万6千部(昨年上半期)。総合週刊誌では11年連続でトップを守るが、市場の縮小に合わせるようにこの5年で15%ほど減っている。ただ今年は甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題などのスクープ効果で、すでに3冊が完売。報道への信頼が高まり情報提供が増えるという好循環が生まれている。
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