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専門医が教える『花粉症対策』-今日からできる外出前後の工夫、掃除の仕方

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春の気配とともに、頼まれてもいないのにやって来るのが花粉症の季節。目の痒みやくしゃみ、鼻水に苛まれて、何だか頭がボーッとする…。そんなつらい花粉のアレルギー症状は、仕事にもプライベートにも悪影響を及ぼすことでしょう。

今回は、国際医療福祉大学三田病院・呼吸器内科の奥田 達也(おくだ・たつや)医師に取材。外出前、外出後すぐに行いたいケアから、家に入ってきた花粉を効率的に取り除くそうじのコツまで、すぐ試せる『花粉症セルフケア』の数々をご紹介します。

奥田 達也(おくだ・たつや)
慶應義塾大学卒。国際医療福祉大学三田病院呼吸器内科勤務。花粉症を始め、広く内科疾患の診断・治療を担当している。患者一人ひとりの社会的な背景にも気を配り、自宅療養の分野でも積極的に活動。心のこもった全人的な医療で、ひとりでも多くの患者の支えになりたいと考えている


いちばん効果的な対策は、花粉を取り除き、避けること


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今や日本国民の3人に1人が患っているとされる花粉症。患者数の多さから、近年では国民病の一種に数えられるようになりました。でも、そもそも花粉症とはどういった病気なのか?その概要とおもな治療方法について、奥田医師は次のように説明します。

花粉症は正式名称を、『季節性アレルギー性鼻炎』と言い、私たちにとって最も身近なアレルギー疾患のひとつです。アレルギーの原因物質(抗原)である植物の花粉が、目と鼻の粘膜に接触することで引き起こされます。代表的な症状には、くしゃみ・鼻水・鼻づまりがあり、おもな対策と治療方法として次の4つがあります。

花粉症のおもな対策・治療方法


1.抗原の除去と回避 (花粉を鼻・目の粘膜に接触させない)
2.薬物療法 (抗アレルギー薬の内服・点鼻・点眼)
3.アレルゲン免疫療法 (抗原をあえて投与して、身体を慣らす方法)
4.手術療法(レーザー治療など)

なかでも効果的な治療は、1.に挙げた「抗原の除去と回避」(花粉を鼻・目の粘膜に接触させない)です」(奥田医師)

そうは言うものの、シーズン中、空気中に飛散する無数の花粉から身を交わしたり、衣服に付いた花粉の多くを取り除いたりすることは、簡単ではないはず。奥田医師は、そんな疑問を解決する花粉症のセルフケアを幾つか教えてくれました。


“外出前に行いたい、花粉との接触を減らす”ためのセルフケア



1. まずはマスクやメガネ、花粉を体内に入れないようにする



花粉症に苦しんでいる人は大原則として、外出を避けることが大切だと語る奥田医師。しかし、どうしても仕事や用事で外出の必要がある場合には、積極的にマスクやメガネを着用し、花粉との接触を避けることを指導しています。

「マスクは、きちんと顔にフィットするものを選べば、90%以上もの花粉をカットできます。また、人が吸入する花粉は、ほとんどが空気中で鼻の高さを漂っているもので、それらは5分以内に床へ落下するとされています。そのためベッドや敷き布団など、床に近い位置で眠る就寝時にマスクを着用しておくと、より効果的です」(奥田医師)

また、メガネも空気中の花粉から目を守ってくれる、と奥田医師は続けます。

「いわゆる花粉症対策用として販売されているメガネなら、花粉の侵入量を約2/3以上カットしてくれますし、通常のメガネでも、侵入量を1/3近く低減してくれます」(奥田医師)

2. ウールと綿とでは大違い。衣類の素材選びに気をつける


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外出をする時は、衣類の素材選びも花粉症対策のキーポイントになる、と奥田医師は説明します。

「花粉の季節に屋外を1時間歩いた場合、ウールセーター1着あたり約7~9万個の花粉が付着しますが、綿シャツではそれが約2~3万個に抑えられます。外出の時はできれば、表面がなめらかな混紡※1のコートなどを着用することが望ましいですね」(奥田医師)

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※1…例えばポリエステル70%とコットン30%などといったように、2種類以上の異なる繊維を混せて紡がれた糸のこと

3. 同じ繊維の衣類を重ね着&コーディネイト



また、衣類に静電気を発生させないようにすると、衣類に付着する花粉の量を約半分にまで抑えられると言います。

「衣類に発生する静電気の量は、繊維の組み合わせによって決まります。そのため重ね着をしたり、トップとボトムのコーディネートを考えるときには、なるべく同じ種類の繊維が使われた衣類を組み合わせるようにしてください。すると、衣類に発生する静電気の量を減らすことができますし、その結果、衣類に付く花粉の量を低減させることができます」(奥田医師)

さらに、花粉が髪の毛に付着すると、静電気が原因で非常に除去しにくい状態になる、と奥田医師は指摘。帽子をかぶることが、有効な対策になると紹介しています。


“外出後、花粉を家の中に入れない”ためのセルフケア




4. 家に入る前、粘着テープクリーナーで衣類をきれいに



また、奥田医師は屋外で衣類についた花粉を家に入る前に取り除き、室内へ持ち込まないようにすることも重要だと述べています。その方法としてまず挙げられたのが、コロコロ※2クリーナーなどの粘着テープクリーナーを使って、衣類をそうじすること。

「粘着テープクリーナーを用いた花粉の除去は非常に有効で、衣類についた花粉を90%以上除去することが可能です。玄関で衣類を払う行為も花粉除去には有効だとされていますが、それによって空気中を舞う花粉の量が増加してしまうというデメリットがあります。ですから衣類を払うより、粘着テープクリーナーで花粉を除去するほうが、ベターな方法だと言えるでしょう」(奥田医師)

※2…「コロコロ」は、ニトムズの登録商標です。


5. 洗濯物・布団は、乾燥機にかけるか屋内干しに


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さらに、花粉の季節に頭を悩ませるのが、洗濯物や布団を干す場所と方法のこと。それについて奥田医師は、次のように語ります。

「屋外に洗濯物や布団を干した場合、取り込む時に払っても平均約4割の花粉が残留すると言われています。しかし、衣類乾燥機に10分間かけることで、90%以上の花粉除去が可能だとされています。そのため花粉が飛散する期間中には、屋外に洗濯物や布団を干すより、乾燥機にかけたり屋内干しにすることを推奨しています」(奥田医師)

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洗濯機に乾燥機能がなかったり、屋内に干すスペースがないなどといった事情から、屋外干しせざるを得ないケースもあるでしょう。でもその場合、次のような方法で花粉の付着量を抑えられると奥田医師は話します。

「洗濯物や布団に、表面が平らでなめらかな木綿やポリエステル製の布をかけて干すようにしてください。そして、取り込むときは布を外し、屋内に入れるようにしてください。その布が洗濯物や布団を、花粉からガードする役目を果たしてくれます」(奥田医師)

布団と言えば、最近話題の布団クリーナーが花粉症対策に役立つのかも、気になるところ。

「屋外に干さなくても、布団には衣服への付着や換気など、さまざまな要因で侵入した花粉が付いているので、布団クリーナーの使用は考慮されるべきでしょう。ただし現時点※3では、布団クリーナーが花粉症対策に明らかな効果をもたらしたという研究結果はまだ出ていません。過度の期待を抱くことは、控えたほうがいいでしょう」(奥田医師)

※3…2016年3月7日時点

6.ピークには窓を閉め、他は窓を開ける幅、レースカーテンで調整


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また、花粉の時期には、換気の仕方にも大きな注意を払う必要があると奥田医師は指摘します。

「屋内に侵入した花粉のうち、約6割が換気を原因にしたものだと言われ、洗濯物や衣服への付着が原因のものより多いとされています。そのため花粉の飛散予測情報などをチェックして、花粉の飛散量が多い時間帯には、換気のために窓を開けること自体を避けたほうがいいでしょう。

神戸市でスギ花粉の量を計測した研究では、13-18時および19-24時の時間帯に、花粉の飛散量がピークを迎える傾向にあったことが報告されています※4。窓を開けての換気は、なるべくそうした時間帯を避けて行うようにしましょう」(奥田医師)

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さらに、窓を開ける場合には次のようなことを行うだけで、屋内に入ってくる花粉の量を減らせると奥田医師は言います。

「方法は2つあります。まずは、窓を開けている時にはレースのカーテンを閉めること。それによって、室内に侵入してくる花粉を約2/3の量までカットできます。次に、窓を開ける幅を10cmまでに留めること。すると、屋内へ舞い込んでくる花粉を、約1/6の量にまで軽減できます」(奥田医師)

※4… 参考「後藤 操 : 神戸市における時間帯別のスギ科花粉飛散量と風向との関連性. 日本花粉学会会誌 54巻2号 p93-102. (2008)」


“家の中に入ってきた花粉を取り除く”ためのセルフケア



7. そうじは濡れ雑巾から。その後に掃除機を使う



これまで紹介したさまざまな点に注意をしても、花粉飛散のピーク時にある程度の花粉が家の中に入ってくるのは、避けられないことだそう。奥田医師は、コツを抑えてそうじをすれば、家の中に侵入してきた花粉を効率的に取り除くことができると説明します。

「そうじの際は、最初に濡れ雑巾やおそうじシートなどを使い、拭きそうじを行うようにしてください。最初に掃除機をかけてしまうと、床に溜まっていた花粉が空気中に舞い上がり、掃除機で花粉を吸引することが難しい状態になってしまいます。

濡れ雑巾やおそうじシートで拭きそうじを行うと、花粉が舞うのを防ぐことができますし、その後に掃除機をかけると、そうじの精度がアップします。また、ファブリーズ※5などのスプレー剤も、家具・寝具・床からの花粉除去効率を上げる効果があります」(奥田医師)

※5…「ファブリーズ」は、P&G社の商標登録です。

8. 窓際+花粉が溜まりやすい洗面室、テレビを重点的に



また、室内には花粉が溜まりやすいポイントが幾つかあり、それらを重点的にそうじすると効率的に室内の花粉を除去できる、と奥田医師は語ります。

「先に述べた通り、屋内へ侵入した花粉のうち、半分以上が換気を原因にしたもので占められていることからも分かるように、花粉は窓際に溜まりやすくなっています。さらに、花粉は静電気を発するテレビなどの家電に集まりやすいほか、洗面室にも溜まりやすい傾向があります。ですから、それらのポイントをよくそうじするようにしてください。いっぽうで、意外にも屋内と屋外を結ぶ玄関スペースには、花粉が少ないという調査結果もあるようです」(奥田医師)


その他、花粉症について奥田医師に素朴な疑問をぶつけてみました!


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Q.花粉症に良い食品は何ですか?



A.乳酸菌です。他にも生姜やハッカ、甜茶、霊芝、シソ、にがりなどと諸説あるものの、医学的な根拠がしっかりしているものは乳酸菌だけで、特にLactobacillus gasseri OLL2809という菌株が、鼻症状の改善に効果をもたらすことが証明されています。商品化されているものだと、L-92乳酸菌(Lactobacillus acidophilus L-92株)を花粉シーズン中の6週間にわたって摂取すれば、症状が改善されることが報告されています。

Q.花粉症は遺伝しますか?



A.遺伝します。ただ、その確率は100%ではありません。花粉症の発症は遺伝的な要素だけでなく、食事や睡眠をはじめとする生活習慣、暮らしの環境など、さまざまな因子が複雑に絡み合って起きるものなんです。だから、親が花粉症なら○%の確率で発症する、なんていうことはないですね。

いかがでしたか?奥田医師が紹介したセルフケアの数々を実践すれば、花粉との接触を減らし、衣服についた花粉や家のなかに侵入してきた花粉も、効率的に除去していくことができるはず。外出前と戻った後、自宅でのそうじなど、ちょっとしたセルフケアのコツを覚えて、つらい花粉症の季節を上手に乗り切りたいですね!
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