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衆院補欠選挙 与野党の力が試される

 衆院北海道5区と京都3区の補欠選挙が告示された。夏の参院選の前哨戦として、与野党双方の勢いが試される。

     とりわけ北海道5区は与野党系候補の一騎打ちだけに、総力戦の態勢だ。結果は安倍晋三首相が衆参同日選に踏み切るかの判断や、野党の共闘戦略に影響する。候補者や政党は、有権者の関心を高める論戦を展開してほしい。

     北海道5区は町村信孝前衆院議長の死去に伴う補選で、自民公認で公明など推薦の与党系候補と無所属で民進、共産など4野党が推す新人2氏が出馬した。京都3区は自民党の宮崎謙介元衆院議員の不倫問題による辞職に伴う補選。6氏が立候補し、与党は候補擁立を見送った。

     今回の補選が注目されるのは、昨年秋に安全保障関連法が成立してから初の国政選挙である点だ。先月施行された安保関連法は毎日新聞が同月実施した世論調査で「評価しない」(49%)が「評価する」(37%)を上回っている。北海道5区の野党系候補は廃止を強調し、選挙の争点に据えている。

     首相が成果を強調してきた経済政策も円高・株安が進み、状況は不透明さを増している。補選とはいえ、選挙結果はこれら課題への有権者の評価を測る一定の指標となる。

     首相は衆院を解散して、衆参同日選で民意を問うかどうかを来月に判断するとされる。実際には補選の結果が大きな判断材料となる。京都3区は与党の事実上の不戦敗であるため、北海道5区の選挙結果が持つ意味は大きい。

     小選挙区で戦う衆院補選が、夏の参院選で勝敗を決する1人区の構図に重なる点も、今回の選挙の位置づけを重くしている。

     結党後、初の国政選挙となる民進党は北海道5区で共産党など3野党と共闘した。参院選に向け民進、共産両党などは1人区で選挙協力を進めている。今回の結果はその成否を占うものとなる。

     与党はこのところ「自公対民共」の対決構図を強調し、共産党との選挙協力は理念を欠くと批判している。民進党は京都3区では共産党との共闘を拒み、共産党は自主投票となった。衆院選でも協力を進めるのであれば原則や目的について、より明確にしていく必要があろう。

     選挙戦では待機児童問題など、生活に密着した課題も取り上げられそうだ。後半国会の焦点である環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への評価や、甘利明前経済財政担当相らの現金受領問題など「政治とカネ」をめぐる国会の動向も影響する。政党は参院選を見据えた争点の提示をこころがけるべきだ。

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