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Facebookが、メッセンジャーアプリ上でサードパーティがチャットボットを簡単に開発、運用できるプラットホームを発表した。LINEやMicrosoftも既に同様のサービスを発表したばかり。チャットボット・マーケティングの時代が急にやってきた。

TechCrunchが、その意味するところを解説しているので、そのままコピペ。

チャットボットは突然テクノロジー界の最大のテーマとなった。ボットはそれぞれのユーザー別にカスタマイズされたリアルタム双方向コミュニケーションを容易にスタートさせることができる。現在のコールセンターや営業部隊と同じような機能を果たすが、はるかにスケールしやすく、コストも低い。

Messengerその他のプラットフォームのボットが広く採用されることになると、セールスやサポートに関する企業活動が一変する可能性がある。ユーザーが自分からカタログの詳細をチェックしなくても、購入にあたってポイントとなる基準を伝えれば、ボットが即座に関連する情報を教えてくれる。ニュースサイトの場合も、大量の無関係な記事をより分けたりせず、興味ある記事だけがタイムリーに手元に届くことになるだろう。ボットは関連する情報やリンクも教えてくれる。
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▶行動ターゲティングは不要に

このTechCrunchの解説に僕が何か追加するとすれば、この仕組みで消費者の意図がより明らかになるということだと思う。今まで、消費者が何を考えているのかを探るために、できるだけ多くのデータを集めて、推測してきた。でもこれからは、そうしたことの必要性は低下する。なぜならメッセージングアプリ上で自分の意図を表明するのは非常に簡単だし、そうすることに消費者は既に慣れているからだ。

これまでならユーザーが商品購入ページから離脱したら、サイト側はその理由を推測するしかなかった。「ページの構成が悪かったんだろうか?」「商品の品揃えが悪かった?」「値段が高い?」「他の製品と比較している最中なの?」・・・。こうした離脱の理由を探るために、同じようなデザインのページを2種類用意し、交互に表示し、それに対するユーザーの反応を解析するABテストのような施策がいろいろ考案されてきた。

しかしメッセンジャーはより双方向性の高い仕組み。ユーザーはチャットボットに対して、自分の意思をよりはっきりと表現することになるだろう。「高すぎるよ」「ほかにカラーバリエーションないの?」「ウェブページが分かりづらい」・・・。相手が人間の場合より、ボットに対してのほうが、ユーザーは本音を語る。この本音は、企業にとって最高の改良、改善のアドバイスになる。

メディアを使って消費者の注意(アテンション)を集める必要性は低下する。集まった消費者の行動データを集めて解析する必要性も低下する。アテンションエコノミー、行動ターゲティングの終焉だ。



▶人工知能が解析するインテンションエコノミー

いずれAppleもsiriに同様の機能を持たせることになると思う。

こうしたチャットボットプラットホームの後ろには、当然ながら人工知能と自然言語処理の技術が搭載されている。

これらのプラットホームを利用することで、マーケティング業務は図らずも一気に人工知能時代に突入するわけだ。いずれ広告マーケティング業務は、人工知能に取って代わられるという予測があったけど、予想以上に早くその時代がきたようだ。

人工知能を使って消費者一人ひとりの意思(インテンション)を受け取る。これからはアテンションエコノミーからインテンションエコノミーの時代に入っていくのだと思う。

広告、マーケティングの領域が、大きく変化しようとしているようだ。

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チャットボット・プラットホーム参加企業 


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