経済の死角

日銀が作った『5分で読めるマイナス金利』にメガバンク行員がブチ切れた!

「ケンカ売ってんのか」

2016年04月13日(水) 週刊現代
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黒田総裁はマイナス金利の拡大も示唆し、銀行側を挑発している〔photo〕gettyimages

「黒田総裁はバカなのか」

「黒田総裁はバカなのか」

「なにもわかっていない」

日本銀行の黒田東彦総裁がマイナス金利の導入を決定した直後のこと。

在阪記者との懇談会に出席したメガバンクのあるトップは、怒りを隠そうともせずに、冒頭のように吐き捨てた——。

それもそのはず。

経済をよくするはずのマイナス金利が、銀行業界の経営をモロに直撃している。メガ3行ではこのほどベア見送りが決定したが、「これこそマイナス金利のせい」とメガ幹部は語る。

「今回は各行の労働組合側が、『今後はマイナス金利で収益環境が悪化する。ベアなんて無理だ』と諦めた。労組側がはなから要求を見送ったわけです。黒田総裁は賃上げの旗振り役を振る舞っているが、彼の愚策が賃上げを抑え込んだ。本末転倒とはまさにこのことです」

いま金融業界で話題になっているのは、米ゴールドマン・サックスが出した試算レポート。マイナス金利が今後数年間でメガバンクの経営に与える影響を「最もネガティブなケース」を想定して試算しているのだが、「その結果があまりに凄惨。笑えない代物なのです」(金融アナリスト)。

実際にレポートを見ると、三菱UFJFGの場合、利益が6・8%も押し下げられるという。同社の純利益は年間約1兆円なので、その6・8%は680億円。とても看過できないほどの「巨額減益」が想定されているわけだ。

同様に、みずほFGは8・3%、三井住友FGは6・4%の収益下押し圧力を受けるとの試算で、メガバンクはいずれも「収益激減」が既定路線化している。

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