2016年4月13日03時00分
福島市の郷土野菜「信夫冬菜」を使った「信夫冬菜まるごと醬油(しょうゆ)漬け」が完成した。市場にはほぼ出回っていない希少な郷土野菜。市の名物にするため、大学とNPO法人、漬けもの屋が協力した。
信夫冬菜は小松菜に似た葉野菜。大正時代に福島市渡利地区で育てられたのが始まりとされる。福島学院大学の杉浦広幸准教授によると、まだ温室がなかった戦後、糖分が高く、温室がなくても育つ信夫冬菜はビタミンが補給できると、市民に親しまれたという。
杉浦准教授は、「福島りょうぜん漬け」の森藤食品工業と協力し、農産業の発展と裏腹に栽培されなくなった伝統野菜を商品化することで復活させようと考えた。開発には放射性物質に不安を抱える母親らも参加し、表土をはぎ取った畑で放射線量を測定しながら栽培。醬油漬けには、子どもが収穫した冬菜を使っているという。
森藤食品の森藤洋紀総括本部長は「伝統野菜がある京都や会津は、町に活力がある。信夫地方の特産品として起爆剤になれば」と話す。一袋450グラム入りで810円。
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