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 日本より早く始まったマイナス金利政策で、スウェーデンでは住宅ローンの金利も下がって借りやすくなり、住宅を買うために家計の借金が急速に増えている。中央銀行にあたるスウェーデン国立銀行のシャスティン・アブ・ヨクニック第1副総裁は「我々のいちばんの頭痛の種だ」と述べ、副作用への懸念を示した。

 朝日新聞のインタビューに応じたヨクニック氏は「住宅市場を過熱させ、(値上がりする住宅などを買うため)家計がお金を借りすぎていることを懸念している」と述べた。家計が自由に使える可処分所得と比べた借金の割合は約180%で、この2年間で10%ほど増えた。2018年には190%になる見込みという。借金は、税金などを差し引いた後の自由に使える所得の2倍近い。

 「心配なのは、利上げ局面になったときに(借金の負担が重くなり)、人々が消費を控え、成長や雇用にも影響が出ることだ」と指摘した。政府には、所得に対し借金が重くなりすぎるときの融資制限などの規制を求めているという。

 一方で、マイナス金利政策はいまのところ、うまく作用していると強調。「銀行の融資金利が下がり、投資も伸びている」といい、年2%の物価上昇という目標に沿って、エネルギー価格などをのぞいた物価は上昇基調にあるとした。