自衛隊機墜落 6人の死亡確認 原因調査へ

自衛隊機墜落 6人の死亡確認 原因調査へ
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6日、鹿児島県の山中に自衛隊機が墜落した事故で、防衛省は8日午後、現場で見つかった乗員とみられる6人の死亡を確認したと発表しました。現場では飛行中のデータを記録するフライトレコーダーなどが回収され、自衛隊は記録の内容を解析するなどして墜落の原因を詳しく調べることにしています。
6日、6人が乗った航空自衛隊のU125飛行点検機が鹿児島県にある海上自衛隊鹿屋基地を離陸したあと、基地の北の山中で消息を絶ちました。
現場では7日、4人が見つかったのに続いて、8日午前中には新たに2人が心肺停止の状態で見つかり、防衛省は8日午後、この6人の死亡を確認したと発表しました。
防衛省によりますと、自衛隊機に乗っていたのは、機長の平岡勝3等空佐(46)、副操縦士の原口司1等空尉(34)、機上無線員の白鳥博己准尉(52)、機上整備員の渡貫郁夫空曹長(43)、機上整備員の米澤鉄平2等空曹(34)、機上無線員の聞間祐太3等空曹(27)の6人で、防衛省は、死亡が確認されたのはこの6人とみて身元の確認を進めています。
レーダーから機影が消えた御岳の山頂の東側では、飛行点検機の機体の破片が広い範囲にわたって飛散しているのが確認され、防衛省によりますと、飛行中のデータを記録するフライトレコーダーや、操縦室の会話を録音するボイスレコーダーを回収したということです。
自衛隊は、記録の内容を解析するなどして墜落の原因を詳しく調べることにしています。

専門家「斜面にかなり激しく衝突」

鹿児島県鹿屋市の山中で自衛隊機が墜落した事故について、国の運輸安全委員会の統括航空事故調査官を務めた第一工業大学の楠原利行教授は、上空から撮影された現場付近の映像を見て、「山の中腹から山頂方向にかけて木が倒れている状況を見ると、パイロットが直前に山を回避しようとしたことがうかがえる。機体の形状がほとんど残っていないことから斜面にかなり激しく衝突したと考えられる」と述べました。
そのうえで、墜落の原因について「機体に異常がなければ天候が急激に悪化して雲に覆われ、パイロットが視界を奪われた可能性がある」と指摘しました。
一方、レーダーから機影が消えた地点の高度がおよそ880メートルだったことについて、「現場周辺は1000メートルを超える山があるなか、なぜ山より高度が低い場所を飛んでいたのか疑問だ。当時の天候の状況やパイロットの健康状態を調べるとともに、飛行ルートや高度について事前にきちんと打ち合わせしていたのか詳しく調べる必要がある」と指摘しました。