ブリュッセル=吉田美智子
2016年4月9日12時00分
犠牲者32人を出したベルギー連続テロに関連してベルギー検察は8日、モハメド・アブリニ容疑者(31)、「オサマ・K」容疑者ら5人を拘束したと発表した。アブリニ容疑者は空港の現場にいた可能性があり、オサマ容疑者は地下鉄の爆発に関与した疑いがある。
発表によると、捜査当局は8日午後、ブリュッセルでアブリニ容疑者を拘束した。ベルギー国籍で、空港で自爆死したイブラヒム・バクラウィ容疑者(29)、ナジム・アシュラウィ容疑者(24)とともに監視カメラに映っていた「黒い帽子の男」の可能性がある。
テロ当日の先月22日、バクラウィ容疑者らが空港に向かう前にいたブリュッセル北東部スカルベーク地区のアパートから、アブリニ容疑者のDNAや指紋が検出されたという。
アブリニ容疑者は、昨年11月のパリの同時多発テロに関与したとして指名手配されていた。テロの2日前の昨年11月11日、仏北部の高速道の給油所で、実行犯とされるサラ・アブデスラム容疑者(26)といる姿が監視カメラに映っていた。アブリニ容疑者の指紋やDNAは、パリのテロの実行犯が拠点としたフランスやベルギーのアパートや住居からも検出されたという。
一方、オサマ・K容疑者は8日午前、ブリュッセルで拘束された。地下鉄で自爆死したハリド・バクラウィ容疑者(27)と爆発の少し前まで行動を共にしていたことが確認されており、現場から逃走した疑いもある。
検察は、オサマ容疑者についてもパリのテロとの関わりを指摘。捜査では、シリア人の偽造旅券で昨年9月、ギリシャ南部から欧州に入り、10月3日にアブデスラム容疑者が借りたレンタカーで、ドイツ南部からベルギー入りしていたことが判明している。
地元メディアは、ベルギーに住むスウェーデン国籍のオサマ・クライエム容疑者と報じている。(ブリュッセル=吉田美智子)
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朝日新聞国際報道部
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