【ロンドン=黄田和宏】有力政治家らによるタックスヘイブン(租税回避地)を利用した取引記録が大量に流出した「パナマ文書」を巡り、フランスの大手金融機関ソシエテ・ジェネラルは12日、ウデア最高経営責任者(CEO)が仏上院財務委員長と面会し、事情を説明した。客の脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いで本社も家宅捜索を受けた。
仏メディアによれば、ソシエテは顧客の資産運用のために租税回避地に1000社近い会社を設立している。当局は、これらの会社を経由して資金洗浄などに組織的に関与していなかったか押収した書類を基に調査している。ソシエテは2012年に情報開示の不十分な租税回避地から撤退すると約束しており、その後も同様の取引を続けていないかを追及する。
ソシエテはパナマ文書の流出源となった法律事務所「モサック・フォンセカ」と取引があったことは認めた。「完全な透明性を確保している」として不正に関与していないと説明している。