最大の特徴は、ハンドヘルドPCでありながら、ゲームに必要なボタン&スティック類が豊富に取り付けられていること。ABXYボタン、十字キ―、ジョイスティックが搭載されており、キーボードやマウスのみの場合と比較して、ゲームコントロールがより容易になっている。
出力端子も充実している。miniHDMIコネクタも装備しており、テレビ画面やモニターへの出力も可能だ。
バッテリー容量は6,000mAh。6~8時間のオンラインゲームが可能な他、8時間の動画再生、80時間の音楽再生に対応する。充電はMicro USB経由。
「GDP Win」はゲーム機の他、ポケットに入るPCとしても利用可能。この場合、キーボードのほぼ中心部に設置された「マウス/ゲームパッド」切り替えスイッチをスライドさせて、「マウス」モードに切り替える。「マウス」モードでは、本体左上に取り付けられたL1ボタンはマウスの左ボタンとして、右上に取り付けられたR1ボタンはマウスの右ボタンとして機能する仕組みだ。右側のジョイスティックで、カーソルを移動できる。
サイズは幅15.5x奥行き9.7x厚さ2.2センチで、重さは約300グラム。NINTENDO 3DL LLとほぼ同じサイズと重量と考えれば間違いないだろう。
開発元のGPD Technologyは、「GPD WIN」の市販に向けてクラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、299ドルの出資で「GPD WIN」を1台入手可能だ(配送料等別途)。出荷は2016年10月を予定している。
現時点では「GPD WIN」が技適マークを取得しているのかなど、様々な疑問が残る。えんウチ編集部ではこの件につきEメールで問い合わせたが、本稿公開までに回答を得ることはできなかった。製品が出荷され、現物を確認できるようになるまでは、様子見を決め込むのが得策かもしれない。とはいえ、「GPD WIN」がわくわくさせてくれる製品であるのは確か。このわくわくは、少し前の携帯電話やノートPCの新製品を見たときのそれと近い。
少し前まで、例えばノートPCではデュアルディスプレイの製品など、わくわくさせるデザインの製品がいくつも出荷されていた。だが、携帯電話がスマートフォンとなり、ノートPCやハンドヘルドPCがタブレットとなってから、モバイルデバイスはデザインの上では進化を止めてしまった。
収納式デュアルディスプレイを搭載したKOHJINSHA DZシリーズ
(画像はKOHJINSHAの公式Webサイトから)
「GDP Win」はその頃のわくわくを思い出させてくれる製品だ。だがわくわくすると同時に、日本のメーカーからこのような製品が出てこなくなったことに不満も感じてしまう。「GDP Win」のような製品が、日本のメーカーから登場することを期待したい。
シャープの復活を心から期待したい
( 画像はシャープの公式Webサイトから)