筋肉を付けるためにプロテインパウダーを利用する人は多いが、最近はダイエットのためにプロテインパウダーを利用する場合も多く、以前よりプロテインが身近なものになった。しかしその分、多くの人が間違ったプロテイン選び方をして効果が減少したり、金銭的に損をしているように感じる。
そこで今回は”プロテインを買う前に知っておきたい基礎知識”をまとめたいと思う。
プロテイン買う前に知っておきたいこと
まずはじめにプロテインパウダーを買う前に知っておきたい事をまとめていく。プロテインに対する考え方から、目的に合わせた種類の選び方など、プロテイン初心者を想定して書いていく。
そもそもプロテインとは?
栄養素の”タンパク質”の事。スペルはProtein。サプリメントとしては食品から余分なものを取り除きタンパク質を取り出したものと考えてもらえればいい。
食事から必要量摂れていればいらない
上で書いたとおりただのタンパク質に過ぎないので、日常の食事から必要な量を摂取できていればプロテインパウダーを無理に用意する必要はない。しかしダイエットや筋トレをしている人に必要なタンパク質を食事だけで補うのは大変だ。また、コスト的にもプロテインを利用したほうがお得な場合が多い。
◯◯用プロテインのウソ
多くのメーカーが〇〇用プロテインと一定の目的(ダイエット用など)に効果的だという謳い文句で商品を出しているが、タンパク質にダイエット用やパワー用などの種類分けはない。アミノ酸などの組成による違いはあるが、それによってダイエットなどに特異的な効果がみられることはない。
また、得てしてこの手の商品は高価なことが多い。宣伝に騙されないように。
プロテイン選びの基礎知識
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プロテインの種類
プロテインには原材料の違いによって大きく種類が分けられる。有名なところで言えば牛乳から作られるホエイやカゼイン、大豆が原料のソイプロテインなどがある。さらにその中でも精製方法の違いで種類があるので、それらをまとめていく。
ホエイプロテイン
牛乳に含まれる乳清タンパクが原料のプロテイン。吸収が早く血中アミノ酸レベルを素早く高めるのでトレーニング後や起床後に飲むことが勧められる。(トレーニング後はタンパク質の合成が亢進され、起床後は就寝中の絶食による筋分解を抑止するため)
また、BCAAの含有率も他のプロテインに比べて多いので筋肥大にもダイエットにもオールラウンドに使用できる。
このプロテインの摂取タイミングについては色々な意見があるので、飲み方の方で簡単に触れたいと思う。
市場に出回っている多くのプロテインがホエイプロテインでこれを選んでおけば問題はない。ホエイプロテインは精製方法によって種類があるので紹介していく。
WPC(ホエイ・プロテイン・コンセントレート)”濃縮乳清タンパク質”
- アミノペプチドやビタミン、ミネラル等の微量栄養素、免疫に有益な生理活性成分などを残したままでタンパク質を抽出できる
- 乳糖も残ってしまうので不耐症の場合、お腹がゆるくなる可能性がある。
- タンパク質含有率は7~8割程度の商品が多く、コストパフォーマンスも優れている。
- 商品の数が断トツで多いので他の種類より選択肢も多い。
取り敢えずこの種類を選んでおけば問題ない。最もオススメのプロテイン。
WPI(ホエイ・プロテイン・アイソレート)”分離乳清タンパク質”
- WPCより純度が高く、タンパク質含有率が高い(9割を超える製品も多い)
- 乳糖が殆ど除去されているので不耐症でも問題ない
- 溶けやすさや味はWPCに劣る(最近は改善されている)
- 価格がWPCに比べて高い(タンパク質あたりの値段で考えるとそこまで差は無い場合も多い)
- 精製の過程で微量栄養素や生理活性成分は除去される
- 商品の数はWPCよりかなり少ない
余分な脂質や糖質は出来る限り摂取したくないというストイックな人に向いたプロテインと言える。しかし一般レベルのボディメイクでそこまで考える必要はあまりなく、個人的にはWPCで十分。乳糖不耐症であれば選択肢に入れたい。
※この他にもWPHやCFMなどもあるが、まだ一般的では無いので割愛。
カゼインプロテイン
- 牛乳に含まれるカゼインプロテインが原料
- 消化、吸収に時間がかかり血中アミノ酸レベルを長時間高く保つので間食や就寝前に勧められる
- カルシウムやグルタミン(筋肉に最も含まれるアミノ酸)などを豊富に含む
- 満腹感が得られやすい
- 免疫力や腸の働きを活性化する
- 純粋なカゼインプロテインはかなり飲みづらい(喉ごしがかなりハード)
- 種類は少ない
ソイプロテイン
- 大豆が原料
- 消化・吸収に時間がかかるのでカゼインと同様の使い方が可能
- BCAAの含有率はホエイに劣る
- アルギニンやグルタミンが豊富に含まれている
- 価格が安い
- イソフラボンによるホルモンバランス調整の働き
- 味は良いとは言えない
- 腹持ちが良いので減量向き
個人的にソイプロテイン、最大のメリットは値段の安さだと思う。ホエイは安くても2500円/kg程度だが、ソイプロテインであれば2000円/kgを切る商品も多い。
筋肥大の効果もホエイに比べたら劣るかも知れないが、全く無いというわけでは無い。むしろホエイと同等に筋肥大に効果があるという結果もあるくらいだ。
イソフラボンの過剰摂取による害が心配されるが食品由来のイソフラボンを常識的な量を摂取している分には問題は無いとされる。
その他にも卵から作られるエッグプロテインや牛肉が減量のビーフプロテインなどの種類があるが一般的では無いので割愛。
タンパク質含有率を確認する
最初に確認して欲しいのはタンパク質含有率だ。種類に関係なく70%を超えているものを選びたい。中には味を良くするために炭水化物を多く配合したりカサ増しのために微量栄養素などを添加してタンパク質の含有率が低いものがあるが、プロテインパウダーを利用する目的はタンパク質の摂取にある。その他の栄養は食事や別のサプリメントで補うべき。
無水換算値に注意
プロテインの成分表記に”無水換算値”という言葉が記されていることがある。プロテインは一般に粉状だが微量の水分を含んでいる。この無水換算値とはプロテインパウダーから水分を除いた場合のタンパク質量を意味している。
つまり実際の商品のタンパク質含有量は無水換算値より少ないことになる。大体5%程度の水分が含まれているとされるので、その分を計算してタンパク質含有率を計算してほしい。
良心的な商品であれば含水と無水で分けて表記しているが、たまに無水だけを表記して小さく無水換算値と書いている商品もあるので注意。
コストはタンパク質で計算
プロテインパウダーを購入する際に単純に値段の安さだけで選ぶのではなく、タンパク質あたりのコストで選ぶべき。たとえば同じ1kg3000円のプロテインでタンパク質含有率70%の商品と80%では後者の方が”プロテイン”として安いことになる。
味は重要
プロテインパウダーは継続して利用しなければ意味がない。そのため、味は非常に重要なファクターだ。どれだけ品質のよい商品でも口に合わなくて飲まないのでは意味がない。ネット通販であればレビューで評判のいいものを選べばハズレることがすくないので参考にするといい。
プロテインの選び方まとめ
- 基本的にはWPCタイプのホエイプロテインを選べばOK
- コスト重視ならソイプロテイン
- 〇〇用プロテインにだまされない
- タンパク質の含有率とタンパク質あたりのコストを考慮する
- 味は非常に大事
楽天で購入できるオススメプロテイン
グリコ マックスロード MAXLOAD ホエイプロテイン チョコレート風味 3.5kg 【80…
若干タンパク質含有率が低い(67%)のがネックだが味付きホエイプロテインの中では安い部類に入る。(2,514円/kg)ちょっと薄めのチョコレート味という感じで、泡立ちは多め。
風神プロテイン 【プレーン】【5kg】【アミノ酸スコア100】【ファイトクラブ】 【DM便不可…
コストパフォーマンス抜群のホエイプロテイン。タンパク質含有率は82%と表記されているが、これは無水換算値なので若干下がる。
無添加、無加工のホエイなので味は”美味しさを抜いた牛乳”といった感じで、溶けづらく、泡も多い。安いホエイを大容量でという人向け。(2,156円/kg)
【送料無料】アルプロン ホエイプロテイン100 3kg お徳用 選べる17種の味【Alpron… |
こちらも高品質なWPCプロテイン。コストパフォーマンスに優れ、味の種類が豊富なのが嬉しい。 若干溶けづらい。
【送料無料 ホエイプロテイン レモンヨーグルト味 アルプロン プロテイン WPI 3kg 【A… |
味付きのWPIで1kgあたり3000円は驚異的な値段。期間限定となっているが結構定期的に販売している。在庫があれば断トツでオススメ。
味は乳酸菌飲料のような爽やかなヨーグルト風味。溶けづらいのが難点(高純度のプロテインは溶けづらい事が多い)だが最近改善されたという話もある。
個人輸入も選択肢に
クレジットカードがあれば個人輸入も選択肢に入れたい。フィットネス文化が一般に浸透しているアメリカはプロテインなどのサプリメントが桁違いに多い。
基本的に日本の商品より味が濃く甘党向け。
ぼくが利用しているショップを紹介する。
アイハーブ
海外のサプリメントや食品、化粧品などの日用品などが購入できるショップ。非常に品数が多く日本語対応なので個人輸入初心者向け。楽天などの通販と同じ感じで購入できる。手数料はかかるが代引きにも対応。
取り敢えずここで買えば間違いないショップ。
1プロテイン
フィットネス専門のショップ。日本語対応でまとめ買いならアイハーブより安い事が多い。アイハーブと価格を比較しながら使いたい。
ビタコスト
アイハーブの上位互換といったところか。日本語には対応していないが、商品の数が多く、プライベートブランドが充実しているのでよく利用している。1番安い送料を選ぶと3週間から1ヶ月かかるので急ぎの場合はアイハーブで。
Bodybuilding.com
名前の通りボディビルディング関連のショップ。ストア以外にも役に立つフィットネスや栄養関連のコラム、トレーニング種目の紹介など見ていて飽きない。しかし送料が高すぎるので商品の購入より、海外のマッチョ共との筋肉SNSとして利用している。(そういった機能がある)
プロテインも安い買い物では無いので、よく考えて購入してほしい。
質問等があればコメント欄からどうぞ。
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