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 東京都中央区の築地市場の仲卸店で12日、食中毒を引き起こす恐れのある「バラハタ」1匹が販売された。都が発表した。購入者は特定できていないといい、都は「買ったと思う人は注意してほしい」と呼びかけている。

 都によると、12日午前8時半ごろ、巡回していた都の市場衛生検査所の職員が仲卸店で全長45センチ、1・2キロのバラハタに似た魚が販売されているのを発見。魚は職員が写真撮影し、魚種を確認している1時間ほどの間に4277円で売れた。バラハタと確認できたのは販売後。仲卸店は都に対し、同じハタ科の俗称「ナンヨウスジアラ」という魚として仕入れ、販売したと話しているという。

 バラハタには身や内臓にシガテラ毒が含まれる。煮たり焼いたりしてもなくならず、食べると頭痛や嘔吐(おうと)・下痢、不整脈などの症状が出ることがある。全国では1989年から22年の間に16件、バラハタによる食中毒の届け出があった。死亡例はほとんどないという。問い合わせ先は、都食品監視課(03・5320・4413)。(小林恵士