店舗にあるタブレット端末やスマートフォンなどで在宅の通訳者とつなぎ、外国人観光客との会話を「遠隔通訳」するIT(情報技術)を使ったサービスの実験が、兵庫県豊岡市城崎町の城崎温泉街で行われている。11日には報道陣向けの説明会があった。専属の通訳者を雇うよりコストが低く、同市なども実用化に期待を寄せている。(秋山亮太)
情報通信会社「ケイ・オプティコム」(大阪市北区)などが開発中のサービスで、ITを活用して在宅の人材に仕事を委託する「クラウドソーシング」を利用。実験では英語を使い、今月4日に始めた。同温泉街の「外湯」7施設と物産店など7店で約3週間続く。
今回は通訳者として、日常会話ができる海外の日本人や在日外国人ら約20人を登録し、3~5人が常時待機。店や外湯の関係者らはタブレットなどを使って、通訳者と動画で通話するほか、外国人客が通訳者と直接話せる。商品についての説明や質問の応対、購入方法の確認などさまざまに利用できる。
この日は、米国ユタ州在住の日本人が通訳を務め、物産店「いたや」で実演した。同店ではこれまで英単語のみで対応してきたといい、「『城崎ならではの土産を教えて』などの内容にもスムーズに答えられた」と三宅俊彦社長(60)。「これなら外国の方が来ても安心して受け入れられる」と話した。
ケイ・オプティコムの担当者は「在宅勤務者を使ったサービスは国内初ではないか。未開拓の分野なので、現場の声を生かしながら開発を進めていきたい」と話していた。
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