蹴球探訪
フロンターレと陸前高田市
築かれた新たな絆
(3月16日)
【ゴルフ】松山英樹、メジャー制覇まだ遠かった 自滅7位2016年4月12日 紙面から
◇マスターズ<最終日>▽男子メジャー第1戦▽10日、米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC(7435ヤード、パー72)▽晴れ時々曇り、気温19度、弱風▽賞金900万ドル、優勝180万ドル▽57選手(うちアマチュア2人) 【オーガスタ(米ジョージア州)松岡祐司】首位と2打差の3位から出た松山英樹(24)=レクサス=は4バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの73と伸ばせず、通算イーブンパーの7位。日本男子初のメジャー制覇はならなかったが、日本人で初めて2年連続トップ10に入り、来年の出場権を得た。大会前の世界ランク12位で米ツアーで勝利のなかったダニー・ウィレット(英国)が通算5アンダーでメジャー初優勝。5位から出て67をマークし、通算5アンダーで逆転した。前日まで単独首位だったジョーダン・スピース(米国)は通算2アンダーの2位に終わり、史上4人目の大会連覇を逃した。 松山の目は潤み、真っ赤だった。「ミスは絶対に出ると思うけれど、それにしてもミスが多すぎた」。首位を追うはずが、腰が引けたように自滅した。本気で優勝を狙っていた分、自分自身が歯がゆく、情けなかった。重圧か? 緊張か? メジャー制覇に確かに近づいたが、まだ遠かった。 4番パー3の1打目をグリーン手前のバンカーに打ち込み、5番は1メートルのパーパットを外して連続ボギーをたたいた。6番パー3では1打目が右の木の枝に当たって50ヤードもショート。アプローチはグリーンの傾斜で10メートル以上も戻ってしまい、痛恨のダブルボギーを喫した。崖から転げ落ちるように優勝戦線から後退を余儀なくされ、「精神的にはきつかった」。怪物の顔は、珍しく青ざめていた。 ハーフターンで首位と8打差。だが、誰もがあきらめかけた優勝を、松山だけがあきらめていなかった。「何が起こるか分からない」と必死に気持ちを奮い立たせた。8番と10番でバーディーを奪い、好機の山を築き続けた。アーメンコーナー出口の13番パー5(530ヤード)で、2打目をピン左1・5メートルに寄せるスーパーショットを披露。14番パー4では2打目をピンそば2・5メートル、15番パー5でも3打目をピン手前2メートルにつけたが…。 「パットが入っていれば、もうちょっと追いつくチャンスもあったのかな」。3日目の15番で発生したストロークの違和感を修正し切れず、松山の5度目の挑戦は尻すぼみで幕を閉じた。 ただ、メジャーで優勝争いを演じたのは、14戦目で実質的に初めて。重圧と緊張感の中、気後れせず、堂々と戦って得た成果も、平場の大会ではあり得ないような失敗も、松山にとってはすべてがオーガスタのお土産だ。 「自分が目指しているところに(実力を)持っていければ(メジャー制覇の)チャンスは増えると思う。もっともっと優勝争いをして、日本に良いニュースを届けられるよう頑張っていきたい」 日本ゴルフ界の悲願、日本男子初のメジャー制覇に懸ける松山の思いは、負けてなお、強くなっていた。 PR情報
|