原爆資料館「忘れることはない」
現役の米閣僚として初めて被爆地を訪れたケリー国務長官は11日、G7外相会合後に広島市内で記者会見した。訪問した原爆資料館について、「私は忘れることはないし、忘れられる人はいないだろう」と述べた。さらに「戦争とは最後に残された手段であり、最初の手段とすべきではないことを再確認した」と語った。
ケリー長官は、原爆投下直後の様子を描いた絵画を目にし「胃をたたかれたような衝撃を受けた」と述べた。平和記念公園では原爆慰霊碑に献花しており、被爆地訪問で「深く心が動かされたし、初めて広島を訪ねた国務長官であることを光栄に思う」と強調した。
一方でケリー長官は、訪問の目的を「過去にこだわり続けるためではなく、過去の教訓を現在や将来に生かすことが、どれほど大切なのかを示すためだ」と指摘。第二次大戦で戦った日米両国が終戦後は同盟国となったことに言及し、「この地(広島)は、同盟の堅固さを示す事例になっている」と強調した。
また、オバマ政権が取り組む国際的な核不拡散や核物質管理強化にも触れた上で、「資料館を訪れたことで、世界平和の維持のために果たすべき(米国の)義務を再確認した」と語った。【大前仁】