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4割が「返済苦しい」 深刻化する“奨学金地獄”の実態

 機構によると、返済を3カ月以上延滞している人は2014年度で17万3000人、利用者の4.6%に上る。督促に応じない人への訴訟は04年度の58件から14年度は5039件に増えた。返済が遅れると、それこそ闇金のように職場まで督促が来るという話もある。

 奨学金を借りた場合、大学を卒業する時点で200万~500万円の借金を背負うといわれる。正社員になれなかった若者が返済するのは大変な額だ。今回の調査では奨学金の返済が結婚に影響していると答えた人は31.6%。非正規雇用者のうち返済を「苦しい」と感じている人は56%に上っている。中央労福協事務局次長の北村祐司氏が言う。

「いまの日本は労働者の4割が非正規です。当然、収入が安定しないため返済に苦しむことになる。奨学金の手続きをするのは高3のときだから、将来、自分が非正規になっていることを想像できない。高校の先生もそこまで暗い話はしないので、奨学金を借りてしまうのです。調査では4割以上の人が借りるときに滞納のリスクを理解していなかったと答えています」

 しかし、家が貧しければ奨学金を借りるしかない。アベノミクスも破綻して日本経済はお先真っ暗。“奨学金地獄”はさらに深刻化しそうだ。

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