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第18話 仲間の誓い
ロイドさんの力は想像以上にすごかった。
紹介状を渡すと受付の少女は血相を変えて姿を消し、絢爛な応接間に通される。
数分後に第一商業組合の最高幹部らしき人が現れ、彼は懇切丁寧に僕の相談に乗ってくれた。
商業組合が行うのは商人同士の仲介。
僕の求める取引は3つ。
1つ目、《半月草》、《紅焔草》、《白燕草》、《魔性牡丹》、《鬼無花果》の採取。
2つ目、各種金属。
3つ目、石英。
4つ目、アリウスの食材。
僕の求める商人の条件は次の3つ。
一つ目、少なくとも年単位で継続的な取引。
二つ目、雑草、金属、石英、食料の多量の売却が可能。
三つ目、僕が買ったという事実は公表して欲しくはないこと。
すべての条件を満たす商会はグラムの街には一つしかないらしい。
その人物は一見人見知りで気難しいが実は面倒見もいいし信用も置ける。引き受けてさえもらえれば、年単位で継続的に取引してもらえるとのことだった。
ちなみに、三番目の非公表の条件は商人ならば当たり前のことらしく、誰に依頼しても同じようだ。
商業組合の依頼書を持ち西区の城壁の傍にある指定された商店を訪れる。その商店は柵で囲われていて、敷地には10棟ほどの木造の建物が存在した。
一際大きな一軒家に入り、中にいる男性の従業員に商業組合からの依頼書を見せると、即座に応接間に通された。
数十分待つと応接間に一人の老人が姿を現す。
彼は白髪と白髭を蓄えた気難しそうな小柄の老人であり、僕を見て不愉快そうに鼻を鳴らす。
「帰れ!!」
僕の苦労知らずの貧相な顔から信用ができないと考えたのだろう。僕の依頼の内容を確認もせずに部屋を出ようとする。このくらい厳格な方が取引相手としては信用が置ける。
この世界の商人は取引相手の商売の秘密を漏らす事が最大の禁忌らしい。老人のこの頑固そうな様子から察するに、彼は商人である事に誇りを持っている。なら禁忌を犯すことはあるまい。
「僕らはこれを造ろうと考えています」
予めバックに入れておいた初級のHP回復薬を取り出す。
老人はHP回復薬を目にした途端、目の色が変わり僕の手から引っ手繰り眺め回す。
数分間、神妙な顔で見たり、赤色の液体を舐めたり、透かしたりした結果、老人は白髭を数回しごいた後、目を堅く瞑る。興奮を落ち着けている様子だ。
「お前、それを――いや、詮索するのはルール違反だな。
……了承した。依頼を引き受けよう。儂はバドコック商会会長――ライアン・バドコックだ。よろしく頼む」
右手を差し出されたので、僕も強く握り返す。
「キョウヤ・クスノキです。
まだ商売のイロハも分からぬ素人故、商会の登録はしていませんが、商売が軌道に乗り次第するつもりです。
どうぞよろしく」
これは半分事実だ。この世界で人材と土地が手に入り次第、商会の登録はしようと思っている。
「理解した。では具体的な商談だ」
老人の顔には何の邪気もないただ新しいおもちゃを見つけた子供のような顔をしていた。
そして商談が始まる。
《半月草》、《紅焔草》、《白燕草》、《魔性牡丹》、《鬼無花果》の現物をライアン会長に見せると、これらの草はこのグラムとその周辺に馬鹿みたいに生えているので、《半月草》は1週間で20トンはいけると約束してくれた。
1週間で20トンも採取して絶滅することにはならないかと尋ねると、次のような話を説明される。
即ち、この《半月草》は雑草。抜いても、抜いても生えてくる悪草であり、バドコック商会が冒険者組合から請け負っている事業の一つである道の整備業や個人の庭の雑草取りのサービスなどにより多量に確保できるのでその心配は全くいらないらしい。
同じ雑草である《紅焔草》、《白燕草》、《魔性牡丹》、《鬼無花果》は1週間で5トン。
先日の実験では10kgの《半月草》、2kgの《紅焔草》、《白燕草》で初級のHP回復薬500個を造ることが可能だった。
《半月草》だけで考えれば1トンで5万個。20トンで100万個。無論これは全て初級のHP回復薬を作った場合であり、中級、上級のHP回復薬、MP回復薬も作ることからこの数はかなり低くなることが予想される。しかし、それでも十分な量だ。
もっとも問題はある。この量を機械2つで処理するのは不可能だ。新しい魔道機械を造る必要がある。どうせならより高性能な機械を造ろう。これには構想はある。
次は《半月草》の具体的な売買代金について。
この僕の依頼はバドコック商会には全く負担がかからない。寧ろ今まで廃棄のために近隣の山に大きな穴を掘ってそこに埋めていたのだ。その手間を省けるだけでかなりの利益となる。
もっとも、これは商談だ。無料というわけにもいかない。そこで5年間の採取を総額50万ジェリーで請け負ってもらうことになった。
石英は瓶の原料。回復薬の製造では寧ろこれが一番高額になりやすい。
日本で石英はそこまで貴重な鉱物ではない。だがここは異世界。そんな常識など通用するはずもない。
「なんじゃ、石英でよいのか? お主、けったいなものばかり欲しがるのぉ」
「とい言いますと?」
声が裏返る。それはそうだ。仮に石英が安価で手に入れば回復薬は販売ルートさえ確保すればすぐにでも売り出せる状態となる。
「あんな壺や食器の原料程度にしかならん屑鉱物。いくらでもある。安く売ってやるわい」
話を聞くとこの世界は地球の中世程度の科学技術しかない。古典的なガラスの製法は融解法だが、石英を適温で融解し薄く引き延ばし望む形を造り出すほどの加工技術がないのだ。
大抵有り余った石英の処分のため仕方なく壺や食器として使われる。その融解法も技術が稚拙であるため、不純物が多く透明が売りの石英ガラスが茶褐色に濁ってしまう。さらに脆いともなれば、いいところなど皆無だ。それは安い。
ライアン会長も僕が先刻見せたポーションの瓶を特殊な魔法金属で作られていると勘違いしている節がある。
最終的に石英はまとめ買いすることもあり、10トン――5万ジェリーで売ってもらうことになった。
これも100万ジェリーを払い200トンほど購入する。
金属も魔術道具の原料となることもあり僕にとって重要な位置を占める。
鉄、銅、鉛、鋼、アルミ、銀、金などがメイン。
さらにバドコック商会所有のグラム近隣の鉱山からは伝説の金属ミスリルが少なからず採掘されるらしい。これらの金属の売買の契約も締結した。
ただ金属は半端でなく高額だ。さらに一括して購入すると莫大な金がかかる。
そこでHP回復薬を無料で毎週25個提供する代わりに金属の価格を大幅に値下げしてもらうことにした。
どの道、多少能力を下げたHP回復薬はこの世界で売却しようと思っていたのだ。この世界の反応を見るには丁度良い機会だろう。
さらに1週間ごとに100万ジェリー分だけ継続的に購入する仕方を採用する。
継続的に購入といっても中止する2週間前に言えばいつでも中止してもらえる仕組みだ。そのためにも2週間分の200万ジェリーを頭金として納めておく。
これは僕からの提案であり、賃貸借契約と同じ仕組み。沙耶と二人暮らしをするために賃貸借契約について調べていたことがこんなところで役に立った。
ライアン会長もこの僕の提案に乗っかり契約締結はなされた。
最後がこの世界の食料の調達だ。バドコック商会は土木に鉱山の運営、さらに食料の販売までやっているらしい。僕もできることならこの多種経営を真似したいものだ。
このグラム周辺の高級特産品数十点を毎週30万ジェリーで購入することにした。これも金属と同様頭金を払うが、金属と違い1週間もあれば取引先に発注を止めることができるので1週間分の30万ジェリーだけでよい事となった。
この世界の30万ジェリーは日本では240万円。1週間で240万円分の食料など食べ切れるはずもない。購入しても通常なら腐ってしまうだけ。
だが僕らにはアイテムボックスさんがいる。この中では時間の流れは停止する。腐ることは永遠にありえず、新鮮なままで食べられる。
だからしこたま買いためて置くのだ。いつか必要となるその日まで!
契約書を3枚作成し僕が1枚、バドコック商会が1枚所持し、商業組合に1枚持提出する。この契約は商業組合が介入した取引であるため、一方的な反故は許されない。
契約と同時にライアン会長に350万ジェリーを支払う。
ライアン会長は当初とは打って変って親しみ深くなっていた。取引相手と認められた証拠かもしれない。
会長から今工場にある《半月草》をはじめとする雑草を持って帰る許可をもらう。
その後、バドコック商会の従業員に石英のある倉庫と《半月草》等が置かれている倉庫に案内され、各々アイテムボックスに収納する。
従業員は突如石英200トンがなくなる様を見て悲鳴じみた声を上げていた。
この世界でもアイテムボックスは遺跡等から発掘される国宝級のアイテムらしく、一般人が目にすることはない。
従業員に迷宮内で発掘された宝物だと説明すると、その噂は聞いた事があるのか案外すんなり納得してくれた。
バドコック商会を去り、第一商業組合へ行き契約書を提出し、ついでに不動産屋を紹介してもらう。
ロイド効果により再び最高クラスの不動産屋の紹介を得ることができた。
不動産屋の購入は僕が一人で決めるわけにもいかない。一度屋敷に戻り、明日の午前中にでも皆で訪れて決める事にする。
宿屋ルージュへ戻り、地球の屋敷へ転移する。
ステラもアリスも頭が冷えたのか何時もの調子に戻っていた。
現在午後21時。こんな遅くまで料理に手を付けず待っていたらしい。少しジ~ンときた。
彼女達が作ってくれた料理を食べ、片付けをした後、ミーティングを開始する。
バドコック商会での継続的取引の件を説明する。
「計画が一歩前進ですね」
椅子から立ち上がり喜びを額に湛え目を輝かすステラ。
ステラは回復薬の製造に只ならぬ拘りがある。これは僕の完全な予想だが機械音痴の彼女が《眷属軍化》の魔術・スキル獲得において《魔道工学術》を選択肢の一つに入れたのも、この回復薬を製造したかったせいだろう。
「そう。単純計算で週に数万個の回復薬を生産できるようになった。
後はより高性能な回復薬製造機の開発だろうね。これはステラ、僕と一緒に今晩からでも始めよう!」
「はい! よろこんで!」
拳を握りしめ、決意に身を焦がすステラ。そんなステラを横目で見ながら口を尖らせ、アリスが僕にくってかかる。
「マスター、いつもお姉ちゃんばかりズルい! ボクも何かやりたい!」
「ごめん。もう少し待って。
今後僕らのやろうとしていることにはアリスの力が必要不可欠だ。すぐにもう勘弁してっていうくらい仕事が回ってくる。
それまでテレビでも見て英気を養っててよ」
「うん……」
渋々頷くアリス。そのアリスを隣に座るステラが抱き寄せ頭をコツンと付ける。
「では今後のスケジュールを簡単に説明するよ。以前説明したこの地球の暦で説明させてもらう。君ら大丈夫?」
二人とも頷く。スケジュールをより効率的に立て易くする為、地球の暦の本を読むように二人には指示している。
僕は話を続ける。
「今から約1か月のスケジュールだよ。
今日は8月4日、火曜日。
月曜日と火曜日は迷宮探索をせず《妖精の森》のギルドの活動やこの地球で作る会社の従業員として活動をしてもらう」
二人の顔には嫌悪が溢れていた。今日の出来事を思い出したらしい。
「しかし、迷宮探索も大事なのではないのでしょうか? 一か月で《終焉の迷宮》をクリアするのが目標ですし、休みはやはり1週間に1度がよろしいかと」
「ボクもそう思う!」
理屈を捏ねてはいるが彼女達は傷つきなくないだけだ。ギルドのメンバーの中傷の言葉を耳にしたくないだけ。
だがそんな弱い心では困る。これから彼女達は地球人にもなってもらうのだ。地球は彼女達の世界――アリウスほど優しくはない。
頭脳と力を持て余す怪物達が跳梁する魔境。少し気を抜けば骨の髄まで絞りつくされる。そんな場所だ。
「聞いてよ。
僕の当初の目標は確かに迷宮の攻略だった。だって僕が君らの世界アリウスを訪れたのは魔術師としての修行のためだったから。
だから、自身の力さえ得られれば仲間なんて必要ないと本気で思ってた」
「そうですか……」
僕の仲間などいらない宣言にステラが恋人との別れた直後の心の傷ついた少女のような顔で呟く。アリスなど大粒の涙を溜めている。感情豊かな二人らしいリアクションだ。
そう。僕はつい最近まで強さを得るためには仲間など不要だし、かえって甘さが残るため僕自身を弱くすると固く信じ込んでいた。
しかし、たった数日間の彼女達との生活で僕のこの考えがどれ程愚かなものかが骨身にしみた。
迷宮探索が思うように運んでいるのも、自己の強さが短時間で飛躍的に増大したのも、彼女達の存在あってこそだ。
スキル等のLV上げに協力してもらっていることも勿論ある。
だがそれ以上にあの暗く冷たい迷宮内をあれほど楽しく過ごせたのはなぜか? あれほど心が満たされたのはなぜか?
それは――
――彼女達の笑顔を見たからだ。
――彼女達と言葉を交わしたからだ。
――彼女達と背中を任せて戦ったからだ。
――彼女達と魔術の修練をしたからだ。
僕にはこの地球にも異世界にも身体を張ってでも庇ってくれる味方は沙耶くらいしかいない。
そんな一人ぼっちの僕に対する中傷を彼女達は怒ってくれた。これがどれほど僕の心を満たしたかは想像するに容易い。
だから僕は――。
「だけどね。それが間違いだったと今更ながらに気づいたよ。
できれば君らとは今後もずっと仲間でありたいと思っている。
仲間である限り君達とは運命共同体。滅びるのさえも一緒だ。だからさ、僕の事情にも君らを巻き込むし、君らの事情にも口を出させてもらう。
帝国とのイザコザももう一人で悩む必要はないんだ」
ステラもアリスも僕の言葉にポカーンとしていたが、俯いて身体を小刻みに震わせている。アリスはとうとう泣きだしてしまう。
暫し、彼女達が落ち着くまで待ってから話を再開する。
「話を戻すよ。さっきも言った通り僕の目的は迷宮攻略だけではなくなっている。
僕ら《妖精の森》の当面の敵は帝国。巨大国家だ。だから、今は僕らの《妖精の森》を出来る限り強くするべきなんだ。
この強化の内容は戦闘技術だけじゃない。その組織力も増す必要がある。それ故一日を使うのさ。
理解してくれた?」
「……は……い」
まだしゃくりあげているステラ達に苦笑し、話を進める。
「火曜日はグラム周辺での活動。対して月曜日はこの地球で活動してもらう。
地球での活動は僕の目的のためさ。
僕の目的はこの地球で誰からも支配されない程の力をつけること。この目的達成のため、君らにも協力してもらうよ」
「はい! 勿論です。それで具体的には?」
「まずはグラムでの活動について。
僕らの個人的な力は迷宮攻略と魔術の鍛錬で得ることができる。
だから当面は僕らの活動指針はギルド全体の強化にある。
具体的な強化法は信頼すべき仲間の確保と活動資金の確保。
このうち、最優先すべきは仲間の確保。
仲間は人間性が最重要。少し才能があってもそれに胡坐をかいて鍛錬を怠ったり、すぐに裏切るような奴はいらない。
烏合の衆もいるだけ無駄だ。少数精鋭でいい。
そして最も大切なのが魔術師としての適性。即ちステラの回復薬製造、アリスの剣術のような直向きな熱意。
とは言え別に特定の分野でなくてもいい。金持ちになってやるとか、異性にもてたいなどの煩悩まみれの熱意でもいい。
自己の目的に邁進する気持ち。やる気と言い換えてもいいかな」
「ね~、それだとかなり漠然としてるけど、どうやって見分けるの?」
アリスの質問にステラも頷く。僕は口角を上げて目配せをする。
「丁度良い事に僕の評価は最悪だろ?
無能者。強欲者。虎の威を借る狐野郎。
こんな最悪なギルドマスターならギルドはいつか潰れる。潰れなくともギルドを適切に運営できるはずもない。ギルドに入るより通常はメンバーを自身のギルドへ引き抜こうとするはずさ。
それでも《妖精の森》への加入を望むならそれはよほど強烈な思いのはずだよ。
無論その思いが偽りであったり、邪なものである可能性は否定できない。例えばステラ達を引き抜くために加入するとかね。だからテストはする。
最悪なギルドマスターの存在に、テストで合格しなければ加入できないシステムならやる気のない奴は振い落せるはずさ。
仮にそんな最悪なギルドのテストに落ちたらその冒険者の面目丸つぶれだろうしね」
「マスターが自己の力を晒さなかったのって?」
ステラの顔が恍惚に染まっている。自己に都合のいいように脳内解釈しているようだ。神格化される前に訂正しておこう。
「そこまで僕は考えてはいないよ。
でも魔術師として自己の力をさらけ出すのは愚の骨頂なのさ。まあ君らもそのうちわかるよ――って聞いてない?」
「無駄だよ。お姉ちゃん、マスターの事になるとすぐこうなるから……」
肩を竦めるアリス。この時ばかりは姉妹の立場が逆転している。
「ゴホンッ! 話を戻そう。
次が活動資金の確保。これは商業組合に登録し、当面回復薬を販売し資金を稼ぐ。その稼いだ金で様々な利便品を開発、売却したり、色々なサービスを提供する。
今考えているのは食料や小物の販売、飲食店、美容院等のサービス。特にシャンプーやリンス、化粧品等の利便品は金を持つ富裕層にはバカ受けすると思う。
だけど、この実行には人を雇い指揮するだけの能力を有する人間が必要。つまり、仲間を見つけてからの話しだね。
次が月曜日について。
君らには先日話した通り地球人になってもらう。具体的には日本の在留資格を取得して本格的にこの世界の人間になってもらう。
この地球では資本が君らの世界以上に重要な位置を占める。だから資本を得る。
具体的な方法はグラムと変わらない。
会社の登録と、人材の確保、製品開発と販売ルートの構築。この世界では生半可なものは一切売れない。皆、感覚が肥えているからね。
確実に売れるのは回復薬。それを売って当面は資金を貯める。
以上だよ。質問は?」
「ステラ達はこの世界の事を全く知りません。そんな中で商売など果たしてできるのでしょうか?」
「いや、僕らは商売については素人さ。全部僕らでやる必要はない。その筋のプロの仲間を見つけその人の指示を仰げばいい。
でもそうだね。確かにこの世界に早く慣れるに越したことはない。これから1か月僕ら日本人と同じ生活をしてもらう。そうすればすぐに慣れるさ。
あと、普段の食料の調達はステラとアリスに頼もうかな」
アリスは驚喜に近い表情を顔面に漲らし、対してステラは顔を強い不安で歪ませる。
「心配しないで。数日は僕も一緒に行くし、ただ見てればいいよ。
それに君らが外出するのはあくまで日本の在留資格を得た後。それまでは街に出ることは許可しない」
お読みいただきありがとうございます。
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