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第14話 迷宮探索(3)
夕食時に《眷属軍化》のLVの上昇によりステラ達が持てる魔術・スキルの数が増えたことを伝える。
僕の持つ魔術・スキルを教えてその中から選ぶように告げる。
アリスは《爆炎剣術》に即決した。このスキルのLV4はまだ解析していない。
能力を正確に把握するにはかなりの労力がいる。逆に言えば、労力をかけない把握は誤った先入観を持ち害悪なだけだ。レベルが上がり次第一々能力を把握するのでは時間がいくらあっても足りない。だから僕はレベルが6になるまでは《進化》と《眷属軍化》のような特殊なスキル以外目を通していない。
だが《爆炎剣術》はLV4のランク至高。一般にすぎない剣術とは段違いの強さのはずだ。アリスは最良の選択をしたと言えよう。
意外だったのはステラの方だ。僕の倍近い魔力を持つのだ。《召喚術》や《呪術》のような魔力が直接関係する基礎魔術を選択すると思っていた。
だが彼女が興味を持ったのは《錬金術》と《魔道工学術》。今朝の僕の特殊魔術の簡単な説明で強い関心をもったらしい。
まあ拒否すべき理由もないし、2分野ともこの屋敷には書物が腐るほどあり、研究ができる環境が整っている。
どうせなら、《魔道工学術》を使用し地下工房についてステラに管理・研究してもらえれば僕の手間も減る。彼女にその旨を伝えると快く了承してくれた。
地下工房へ行き最新の回復装置の試験運転をしよう。《魔道工学術》に興味のあるステラに手伝いを頼んだ。
アリスは【究極の指輪】の翻訳能力のおかげで日本語を理解できるようになり、本格的にテレビの虫になってしまった。テレビから一歩たりとも動こうとしない。
アリスも午前中の魔術の授業には極めて真面目に取り組んでいたし、午後の迷宮探索も頑張っている。まだ14歳という歳を考えれば、僕個人としては夜くらい好きな事をさせてやりたい。
だがアリスと同じ歳の妹がいるせいでどうも僕は甘くなりがちだ。あまり部外者の僕がアリスの教育に口を出すべきではないだろう。ギルド内でのアリスに関するすべてはステラに一任することにする。
そのためにもこの屋敷の仕事をステラ自身が把握しないことにはアリスに仕事を任せられない。それが分かっているからか、ステラも顔を顰めはしたがアリスを咎めなかった。
HP回復薬の原料は《半月草》、《紅焔草》、《白燕草》の3つ。MP回復薬の原料は《半月草》、《魔性牡丹》、《鬼無花果》。
解析した結果、この機械は下級から上級までの回復薬を自由に作ることができる。そしてこの回復薬の質の差は《半月草》の量と作業工程の差による。
倉庫に《半月草》をはじめとする薬草が僅かに残っていたので、今回の試験運転にはこれらを用いることにする。
回復薬製造機は少し大きめのコピー機に似た機械だった。
コピー機との違いは、機械の横に設置されている小型スクリーンとキーボードとマウス。
《錬金工術》の魔術の才能を得たことと、機械を解析したことにより、その操作の仕方は把握している。
スクリーンを見ながらマウスで製造する回復薬の種類の項目の初級HP回復薬をクリックし、キーボードで今日の日付8月1日、作成する量を500個と設定し、《薬草の注入》をクリックする。
製造機械の中間部にある薬草の収納箱が3か所自動的に開き僕は《半月草》、《紅焔草》、《白燕草》をそれぞれ所定の区画の中に入れた。
僕が機械から離れると収納箱は再度自動的に閉じる。
《開始》の項目をクリックすると機械が動き始めた。
本来、《半月草》、《紅焔草》、《白燕草》の各薬草は適した温度、湿度で数週間乾燥させてからすり潰し液体化する。さらに余計な成分を省くべく極限まで濾過し抽出したのがHP回復薬だ。
このとき適温、適した湿度からずれたり、乾燥時間を誤ったりすればポーション自体生成しえない。さらに濾過する際の抽出液に不純物が混じっていても同様だ。
この条件の厳しさがステラの世界――アリウスで《半月草》が回復薬の原料となる事実が知れ渡っていなかった理由でもある。
そして、より高性能な回復薬を造るためにはこれらのズレをできる限り少なくし、抽出物に不純物を極力混じらせないようにする必要がある。
この回復薬製造機械はこの工程を無駄なく短時間で行う機械。
そして新型のこの回復薬製造機は楠家にあったものよりも、適温、適した湿度、乾燥時間の理想値からのズレが少なく、またより抽出液中の不純物を排除する機能を有するのである。
この新型機械は作業効率がよく途轍もなく早い時間でポーションを作成する。
しかし、500個の初級HP回復薬ができるまで数2~3時間かかる。
この新型の回復薬製造機はもう一機存在したのでその一機を使いステラに機械の使い方を説明した。
製造機から完了のブザーが鳴り、真っ赤な液体が収納された箱が機械から持ち上がる。この液体の入った容器を隣の機械に設置しスタートのボタンを押せば、機械が勝手に液体を小瓶に詰める。
この隣の機械は小瓶の製造もしてくれる便利な機械だ。このこの小瓶の原料も近日中グラムの街で調達する必要がある。
500個の初級HP回復薬がたった数時間で大した労力もなく完成した事実にステラは頬を上気させ身を震わせていた。
《魔道工学術》の書物の所在について尋ねられたので、この工房の倉庫に多数保管されている旨を告げると僕に一礼をして目を輝かせて姿を消してしまう。
これで僕は兄さん残してくれた《錬金術》の研究に没頭できる。《魔道工学術》は当面はステラにまかせよう。
自室へ戻り、《錬金術》の本を只管読んだ。
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2082年8月2日 夏休み終了まで残り31日。
朝食後、簡単なミーティングをする。
ミーティングでステラから《半月草》などの薬草の採取と、その瓶の原料の調達のため、一度グラムの街に行くべき旨の提案をされる。
僕もその必要性は考えていた。しかしそう簡単にもいかないのだ。
迷宮前でギルド職員が迷宮内への入場者と出場者のチェックをしており、名簿上僕らは入場したままの状態になっている。
今グラムに出て他の冒険者が僕らを視認すれば後で説明に苦労しそうだ。
第4の試練の攻略後はいずれにせよ冒険者組合への出頭を求められることになる。そこで、第4の試練の攻略後に打ち上げもかねてグラムに戻る事にした。
ミーティングの後は午前中の魔術の授業だ。
今日も基礎魔術の基礎理論を徹底して教えた。
今日までの講義は魔道書を読めば書いてあることばかり。時間はかかるが独学でもできないことはない。問題は次の段階の実際の魔術の発動について。
楠家は兄さんが家を継ぐことになっており、僕は去年の夏まで魔術の修行は一切してこなかった。
勿論、父さんや兄さん達の雑務の手伝いくらいはしていたが、真面に魔術の修練はつんでこなかったのだ。
通常、魔術の発動には数年の修行が必要とされている。明神高校の学生が魔術をいとも簡単に使えるように見えるのは幼いころからの絶え間ない修練によるものだ。
だから半年程度しか魔術師の修行をしていない僕には当然発動などできるはずもなく、僕だけが魔術を使えないという状況が生まれる。それ故の最弱の魔術師というわけだ。
したがって僕は魔術の発動についてアドバイスはできても実演してみせることはできない。
《創造魔術》を使えばできないことはないが、特殊な才能で魔術を発現して見せてもステラ達の参考になどなるはずもない。
さらに、この屋敷の持ち主は戦闘専門とする魔術師ではなかったようで、工房には訓練施設がない。魔術の訓練を外でするわけにもいくまい。新たな訓練所を造る必要もある。
今日一晩対策を練ってから明日にでもミーティングで議題にでも出そう。
回復薬造成法について。
今日は回復薬の種類と基本的な効果と製法について。
種類といってもHPを回復するのが《ポーション》で、MPを回復するのが《エーテル》であることは同じだ。種類とは効果の違い。
即ち、回復薬には初級、中級、上級、最上級、特級のランクがあることだ。
基本的な効果は結構複雑だ。回復薬の効果を理解するためにはまず《生命力》について理解しなければならない。
生命力とは文字通り人の《生命エネルギー》であり、これが完全に無くなれば死ぬ。つまり、生命力とHPとは似た概念であると考えてよい。
ここからは僕の推測だが生命力とHPは同じ概念ではあるが若干異なる。
この相違点が仮にHPが零になっても生命力はまだ残存するということだ。これはステラが先日ゴロツキ共の腕を吹き飛ばしたとき、解析ではゴロツキ共のHPは零になっていたことから確信した事だ。
つまりHPが零になるまでは自然治癒可能だが、このHPが零になってから傷を負うと、後遺症が残ったりする。そして生命力が零になると死に至る。こういうメカニズム。
ここからが応用だ。
ここで兄さんのノートには《回復薬は其の者が本来持つ生命力の限界値まで回復させてやればいかなる傷も治る》とある。
これをHPの概念を交えて説明すれば以下のようなテーゼが導ける。
《HPの最大値を超えて回復させてやるほど傷の修復率は高くなる》。
要するに、より高度の致命傷を治癒したければより、より上級の回復薬が必要となると理解しておいて一先ずは良いと思う。
製法についても工房にある機械で上級までは造れるが、それも工房あってのことだ。ステラ達も《妖精の森》から抜ける日も来るだろう。その際に手法での作り方を知らないのではお話にもならない。
今日は作り方のみを教え、明日から実際に作ってみることにする。
今日は地下18階層の袋小路から開始。時間も惜しい。今日は少々、迷宮攻略のペースを上げていこうと思う。
21階層になり、ジャングルのような風景へと変貌を遂げる。
地面は赤茶けた土であり、その上に草木が青々と茂っている。木々からは鳥とも魔物とも判断がつかぬ怪声が聞こえてくる。
迷宮の壁は全て蔓で出来ていた。迷宮攻略前はこの蔓が一定時間で変化していたのだろう。ただでさえ木々で視界が悪いのに、フロアの構造まで変わるなら攻略に半端じゃない時間がかかっていた。
攻略に時間をかけたくない僕らにとってもこれは朗報だった。
また、21階層を過ぎて極端に魔物のエンカウントが減った。
これは、迷宮がジャングルなので魔物が木の上にいる場合などは気づかないことが影響しているのだろう。
僕らも魔物が襲ってこないのはこれ幸いとばかりに到達階数を伸ばす事ができた。
戦闘スタイルは基本的に昨日と同じ。ステラが弓で、アリスが剣。
もっとも、《爆炎剣術》を使用したアリスの剣は昨日とは別次元のものとなっていた。剣を袈裟懸けに振るうと、遥か遠方に要る魔物が突如大爆発し炎上する。しかも、数匹が離れていても一振りで爆砕していることから、特殊な能力が発現しているのは間違いない。
さらに、剣技の技量も《剣術》の神級のときよりも、《爆炎剣術》の最上級の方が遥かに増していた。
おそらく、神級という剣技のランクも《剣術》というスキルの枠内の事でしかないのだろう。
兎も角、本人はその事実にきゃっきゃと嬉しがりながら敵を殲滅している。
昨日とは対照的に今日はアリスの独壇場だ。
しかし少しはしゃぎ過ぎかもしれない。屋敷に戻ったらステラと厳重に注意をしよう。
22階層を超えると冒険者の姿が激減した。より正確に言えばいなくなった。普段なら1時間に1~2回は他のパーティーと遭遇するのに、まだ一度も出くわさない。
27階層まで到達し一度屋敷に戻り小休憩をしてから迷宮の探索を開始する。
それから暫くしてからの事だった。
『――ゥオオオオオオォォォォッ!!』
耳を聾するほどの唸り声と、冒険者達の余裕のない声が飛び交う。
大樹を背にした一体の青い竜と10人からなる冒険者のパーティーが戦闘を繰り広げていた。
青色の硬質な鱗を持ち、大きさは僕の3倍近くにも及ぶ。大きな蝙蝠のような翼に獲物を引き裂くのに特化した鋭い爪、巨大な顔と咢を持ち、その大きな口の中からはパチパチと赤い火花が迸る。
迎え撃つ10人の冒険者の構成は前衛の3人、中衛が4人、後衛が3人だ。
前衛の3人は全員巨大な盾を持ち竜の爪や尻尾を防いでいる。
竜は隙あれば真っ赤に燃え盛る大口から灼熱の炎を空中へ放つが、後衛3人の防御結界により、防がれていた。
その隙を見て、中衛が攻撃魔法や弓で攻撃しているが全て鋼のように硬い鱗により弾かれ掠り傷程度しか与える事はできない。
僕は両者の解析を始める。
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ステータス
【ワイバーン】
★レベル:20
★能力値:HP700/700 MP500/500 筋力300 耐久力320 俊敏性102 器用130 魔力130 魔力耐性340
★スキル:《皮膚鋼鉄》
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久々のスキル持ちの魔物だ。筋力も300もあり、僕らでも決して油断はできない魔物だ。
対して冒険者達の平均レベルは16。リーダーらしき者が一人だけレベル22ではあるが、あいにく魔術・スキルをステータス欄に持っておらず、【ワイバーン】の耐久力320と魔力耐性340の壁を越えられないようだ。
しかも、《皮膚鋼鉄》によりさらに耐久力と魔力耐性が上昇しているようであるし、冒険者側に【ワイバーン】を倒すだけの力はない。
今は辛うじて戦闘は膠着状態にあるが、すぐに形勢は逆転するだろう。
それにしても、この21階層から30階層までに生息する魔物は平均レベル8~10。とてもレベル20の竜もどきが出てくる階層ではない。
冒険者達の一切の余裕が消失した顔からもこの事態が異常事態であることは窺われる。
「なぜこんなところにワイバーンが? この階層で仮にも竜が出現するなんて聞いたこともない!!」
中衛の胸当てとパンツのみという水着もかくやの服装の女性が悲鳴じみた声を上げる。
「ブリアナ! 余計な事を考えるのは生き残ってからだ!
今から後衛、中衛全員であのデカブツにありったけの攻撃をぶちかませ! その隙に中衛から戦闘を離脱する。前衛! 悪いが俺と共に殿を務めてもらうぞ!」
「「「おう!!」」」
緑色の長髪の美しいレベル22のエルフの青年の声に、身体中に傷のあるヒューマンの青年、獣人の青年、ドワーフのおっさん(?)が了承の咆哮を上げる。
「マスター。どうします?」
この【ワイバーン】は僕らのレベルと能力なら難なく倒せるレベルだ。むしろ適正戦闘レベルといってもよい。
だから、ステラも僕が見捨てるとは思ってはいまい。
魔術師は原則自身の戦闘スタイルを他者には見せはしない。どれほど強力な魔術・スキルでも見せれば対策を立てられる危険性は否定できないからだ。このことは真っ先にステラ達に教えている。ステラはこの観点から助ける方法を問うているのだろう。
「ん~、取り敢えず様子見。
彼らが逃げ切れるなら逃げてから攻撃。危なくなったら直ぐに介入するよ。
ステラ、【ワイバーン】の頭と心臓に刻印をありったけ付けといて」
「はい!!」
目尻がちょっと上がって引き締まった顔で頷くステラ。ステラと僕のやり取りを見てアリスが頬を膨らます。
「あ~、お姉ちゃんばかり、ズルぅ! 初めての強敵だし、ボクもやりたい~!」
ステラはアリスの言葉など耳に入らないのか【ワイバーン】の頭と胸部に【魔道弓】の刻印を数十個重ね掛けしその時を待つ。
「アリスはダメ。君の技は威力が高すぎるから【ワイバーン】どころか彼らまで消し炭になる。
今回は我慢して」
「ぶーー!」
口を尖らせてブー垂れるアリスの頭を乱暴にぐしゃぐしゃと撫でて僕も【爆炎糸】の糸で【ワイバーン】を拘束する用意をする。
後衛と中衛の雨あられのような攻撃が降り注ぎ、僅かに【ワイバーン】がたたらを踏む。その隙に中衛は戦線を離脱し、ついで後衛も僕らの方へ全力で駆けてくる。
リーダーのエルフの青年の命を忠実に守る中衛、後衛達はすれ違う僕らを一瞥するも、声をかけることもなく退避していった。
後衛がいなくなり魔法による防御壁がなくなった前衛に【ワイバーン】の右腕の爪が暴風を纏いながら襲い掛かり、ヒューマンの冒険者を蔓の壁まで吹き飛ばす。
さらに遠心力をたっぷりつけた尻尾で獣人の青年とドワーフのおっさんを攻撃するも、エルフの青年が彼らの前方にでてその右手に持つ剣で防ぐ。
【ワイバーン】はでかい図体に似つかわしくない動きで左腕を間髪容れずにエルフの青年に叩き落す。
ズザッとその衝撃で数メートル後方に弾かれるエルフの青年。
同時に【ワイバーン】は大口を開ける。吐息。これでチェックメイト。
さて介入だ。
参った。4人には見られてしまう。出来ればあと2~3人は気を失ってほしかったのだが仕方ない。ここまでのようだ。
「ステラ、介入する」
その言葉と同時に僕は【爆炎糸】を発動し【ワイバーン】を雁字搦めに縛る。
【爆炎糸】のランクは至高。たかがレベル20の魔物の力ごときで切れるような生半可な硬度の糸ではない。
直後、ステラの無数の魔矢が【ワイバーン】の頭と心臓に直撃し木端微塵に破壊しつくす。
血肉のシャワーがエルフの青年達の頭上に降り注ぎ、頭と胸部を抉り取られた【ワイバーン】の躯が地面にズシンッと衝突し地響きを上げる。
身動き一つせずに、眼前の非現実的な光景を眺め続ける獣人とドワーフ。
エルフの青年は剣で体を支えながらも僕らに視線を向ける。
この場に留まっても、さっきの現象につき説明を求められるだけだ。そうなる前に用を済ませてこの場を去ろう。
【ワイバーン】の一撃をモロ食らって壁に叩きつけられたヒューマンの男性は右腕があさっての方向を向き、左足が複雑骨折していて見るからに痛そうだ。命の危険まではなさそうだが、迷宮内でのメンバーの故障はパーティーにとっても致命的。全滅する危険性すらある。ここまで介入したのだ。助けるしかあるまい。
予めアイテムボックスから出しておいた中級のHP回復薬を1個、金髪の青年に無言で渡してこの場を後にする。
無論【ワイバーン】の死骸を通り過ぎる際に、肉片を糸で切って食べ《皮膚鋼鉄》は獲得しておいた。
30階層の大広間に到達し、そこの片隅で転移し今日の冒険を終了する。
2082年8月2日、迷宮探索の成果。
《終焉の迷宮》到達階数――第30階層。
討伐魔物
○巨大蠍(LV6)――10匹
○砂熊(LV6)――10匹
○食虫植物(LV8)――18匹
○百本鼠(LV9)――34匹
○鎌鼬(LV10)――13匹
○ワイバーン(LV20)――1匹
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ステータス
【楠恭弥】
★レベル:30
★能力値:HP900/900 MP930/930 筋力302 耐久力303 俊敏性300 器用304 魔力306 魔力耐性308
★スキル:《進化LV6(――)》、《眷属軍化LV3(9494/10000)》、《爆炎剣術LV5(8884/10000)》、《爆炎糸LV5(8884/10000)》、《奈落蜘蛛召喚LV5(8884/10000)》、《皮膚鋼鉄LV6(――)》
★魔術:《創造魔術》、《錬金工術》、《呪術》《魔道工学術》
★EXP:3600/12000
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【進化】のLVが6となり、獲得経験値・スキルポイント64倍となった。
昨日と同様、《眷属軍化》もLV3となり主の指定する魔術・スキルが3つまで使用可能となっていた。さらに《情報伝達》も発現し主と各眷属、眷属同士に情報伝達が可能となっていた。
新たに獲得したのは《皮膚鋼鉄LV6(――)》だ。
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【皮膚鋼鉄】
★説明:皮膚を鋼鉄にし自己の耐久力、魔力耐性を一定時間2倍化する。
・《鋼鉄授与》:対象一人に対し一定時間皮膚を鋼鉄にする。
・《一般魔術無効》:一般による魔術を無効化する。
★LV6:(――)
★ランク:一般
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自己と他者の耐久力、魔力耐性を一定時間2倍化する能力といい、一般による魔術を無効化する能力といい思った以上に使える能力だ。
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ステータス
【ステラ・ランバート】
★レベル:26
★能力値:HP480/480 MP1080/1080 筋力159 耐久力162 俊敏性205 器用164 魔力520 魔力耐性360
★スキル:《加護LV5(8884/10000)》、《進化LV6(――)》
★魔術:《精霊召喚術》、《魔道工学術》
★EXP:3300/8000
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ステータス
【アリス・ランバート】
★レベル:26
★能力値:HP1200/1200 MP400/400 筋力402 耐久力401 俊敏性264 器用261 魔力120 魔力耐性120
★スキル:《接続LV5(8884/10000)》、《剣術LV6(――)》、《進化LV6(――)》、《空破斬LV6(――)》、《爆炎剣術LV5(8884/10000)》
★EXP:3300/8000
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以上が今日の成果だ。
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夕飯を終えて自室のベッドで仰向けになり思考にふける。
明日からはいよいよ未攻略のゾーン。トラップや迷宮内に埋蔵されている宝物も回収していかなければならない。事実上明日からが真の迷宮探索の開始だ。
それに明日はおそらくボス戦となる。31階層がレベル10~13と推測されるから、40階層で待ち構えているボスはせいぜい高くてもレベル20くらいだろう。僕らなら苦戦しそうもない。
勿論、今日の【ワイバーン】のようなイレギュラーもあり得ることから油断は禁物だ。新武器を造ることも考えたが、僕らはやっと今の武器に慣れてきたところだ。それを大事な初めてのボス戦で新武器に変えるのは聊か愚策というものだろう。
故に特別な対策をするのではなく、ゆっくり休みをとるよう指示する事に止めることにした。
それに僕は昨日錬金術の本を遅くまで読み過ぎて今晩は半端でなく眠いのだ。
目を閉じた途端、意識はスーと薄れていった。
お読みいただきありがとうございます。
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