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第8話 ギルド登録
「ご主人様。上手くいきましたね」
南区を抜けたあたりで、ステラが息を弾ませつつ満面の笑みを僕に向けてくる。
「そうだね。あれだけ脅かせばまず君らにちょっかいを出してはこないと思うよ。まあ、一応警戒は必要だけどさ。
あとご主人様じゃなくて、僕はキョウヤね」
「お姉ちゃん。これ一体どういうこと?」
「ああ、今から僕の部屋でお茶でも飲みながらゆっくり説明するよ」
話好きのステラが説明すると日が暮れそうなので僕が代わりに答える。
「ねえ……」
アリスが俯き気味に僕の袖を引っ張った。
「あん?」
「さっきはゴメン」
「何が?」
「打っちゃって……」
「そういや、そんなことあったな。いいよ。むしろ君のような姉妹思いの子、僕は好きだよ」
「え……?」
頬がみるみる紅潮していく。変な勘違いをされてしまったようだ。僕の言い方にも問題があったかもしれないが……。
「御主人様……アリスを許していただいたのには感謝しておりますし、仰りたい事も分かります。
ですが――」
ステラが声色にほんの僅かな非難を籠らせながら僕の耳元で囁く。
「うん。言いたいことはわかってる。ゴメン」
「いえ、私の方こそ。差し出がましい事を言ってしまい――」
「お姉ちゃん達何を話してるの?」
僕とステラの間に小さな顔をニュッと割り込ませてくる。
不満げな表情を向けてくるアリスの頭をステラが優しく撫でると、アリスは気持ちよさそうに目を瞑る。まるで、兄さんと沙耶を見ているようだ。荒みきった心が和む。
この姿を見れただけでも反吐が出る思いをして奴隷市場に行った甲斐があったというものだ。
宿泊先の宿屋ルージュの僕の部屋に着く。アリスの奴隷の首輪を解除した後、ステラとアリスをテーブルの席に座らせる。
アイテムボックスからお茶とカップを取り出し、カップにお茶を注ぐ。さらにビスケットを皿に盛りテーブルの上に置く。
「食べていいよ」
碌な者を食べていなかったのか、アリスは夢中でお茶を飲みビスケットを頬張っていた。その間に僕はアリスの解析を開始する。
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ステータス
【アリス・ランバート】
★レベル:1
★能力値:HP6/6 MP8/8 筋力3 耐久力3 俊敏性4 器用4 魔力2 魔力耐性1
★スキル:《接続LV1(0/5000)》、《剣術LV1(12/500)》
★EXP:0/500
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【接続】
★説明:2人を接続し情報・取得経験値・取得スキルポイントを共有する。
★LV1:(0/5000)
★ランク:至高
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この子も至高のスキル持ち。この姉妹異常だよね。しかも、剣術のスキルまで持っている。才能ありまくりってやつ? 嫌がるかもしれないが、髪の毛は貰うことにする。
「ごめん。食べながらでいいんだけど、話を聞いてよ。
僕が君を身請けした理由は3つの事をして欲しいから。
1つ目。この後、冒険者組合での冒険者の登録と、僕の作る新規ギルドのギルドメンバーの登録をすること。詳しい理由は後でステラから聞いて。
2つ目。君の髪の毛を数本もらいたい。僕は他者の身体の一部を摂取すると強くなるという特異体質なんだ。僕自身の強化に関する事だから君には一切影響はない。
3つ目、僕と会ったこと、見たこと、経験したこと全てを忘れ、他言しないことの約束。
この3つをしてもらえれば、100万ジェリーをあげる。君達姉妹のこれからにでも役立てて」
アリスは躊躇いがちにも金色の髪の毛を数本抜き僕に渡す。僕はそれを飲み込むと程なくして、身体の芯から痛を伴う熱が生まれ僕の全身を駆け巡る。それはまるで身体の中を直接火で炙られているようで、胸をかきむしりながら、ベッドに顔から倒れ込み、僕の意識は消失する。
額にヒンヤリした布の感触がする。上半身を起こすと、アリスがベッドの脇の床で寝息を立てていた。僕の看病をしているうちに眠ってしまったのだろう。
腕時計で午後17時。予定では今日中に新規ギルドを作成し、《終焉の迷宮》についての情報収集を行いたい。
それに《終焉の迷宮》の攻略に本格的に乗り出すに当たり、消費物である回復薬を補充する必要がある。父さんと兄さんの薬のレシピが荷物のどこかにあったはず。一度地球の屋敷に帰り、探すこととしよう。
アリスをベッドに寝かせて椅子に座ると、ステラが部屋に入ってきた。
「御主人様、お目覚めになられたんですね」
「うん。ありがとう。ステラ」
「《終焉の迷宮》について聞いてまいりました」
昨日、ステラに《終焉の迷宮》について尋ねたがその名前程度しか知らなかった。その際に落胆が顔に出てしまっていたのかもしれない。だがこれは手間が省けた。今日の予定はギルドの新規登録で完了だ。
「マジでありがとう! じゃあ、アリスが起きるまで教えてよ」
「はい!」
ステラは弾むような得意げな声色で話し始める。要約すると次のようなことだった。
《終焉の迷宮》は70年程前に聖神アルスがこの世界の住人達への恩恵として造った迷宮。伝説級の武具や魔術道具がゴロゴロ発掘されるらしい。
迷宮の構造はアルス神の課した試練によって一定の区切りがある。
1~10階層、11~20階層、21~30階層といった具合だ。そして、この区切りによって迷宮の各階層は共通の性質を有する。
1~10階層は何の変哲もない階層。
11~20階層は砂が吹き荒れる階層。
21~30階層は森が生い茂る密林の階層。
この区切りの最終の階層では試練としてボスモンスターが待ち受けている。このボスモンスターとの戦闘に勝利すると、試練がクリアされ、区切りによる共通の性質が解除される。
たとえば11~20階層は砂が吹き荒れて視界が悪い階層であるが、20階層のボスモンスターに勝利すると、この性質が消失するらしい。
迷宮の攻略が思うように進まなかったのも、区切りの特殊性質によるところが大きい。
特に21~30階層の特殊性質は密林による天然の迷路となっており、しかも、この木々は一定時間で変化しフロアの構造を大幅に変化させるものだった。この性質により凡そ40年近くもクリアするのにかかってしまったようだ。
迷宮の攻略がなされているのは第3の試練まで。最高到達階層は32階層。
迷宮の階層の攻略がなされると迷宮の入り口付近にある石板に、試練の攻略の旨と攻略者達の名前、所属ギルド名が浮き出る仕組みになっている。
こんなところだ。
この迷宮のシステムはまさにゲーム。これを作ったアルス神とは十中八九天族。僕らの地球に召喚されたとき、RPGにでもはまったのだろう。
目標は高い方がいい。当面は夏休みの終了までに《終焉の迷宮》を攻略することを目標としよう。
「サンキュウー。
その弓と防具は君にあげる。アリスにも剣と靴を与えておくよ。そうすれば、また性懲りもなくアホガエルが襲ってきても逃げ切れる。
これは100万ジェリー。当分はこのグラムでの生活となるだろうし、故郷へ戻るにしてもお金はあって困るもんじゃない」
テーブルの上に100万ジェリーの入った布袋をドシンッと置く。
深い思いを抱いているのだといわんばかりの真剣な顔つきで僕の目を見つめるステラ。
「御主人様が寝ている間、アリスと相談しました。
ステラ達の故郷は現在帝国に占領されています。今帰っても今度は帝国の奴隷になるだけです。あんな惨めな思いをするのも、アリスにさせるのも二度と嫌なんです。
かといってお父さんとお母さんを見捨てたくもありません。すぐにでも迎えに行きたい。ステラ達は強くならなければならないんです。
ですから――」
「僕に鍛えて欲しいと?」
「はい!」
ステラの僕を見る目の中には決意と悔しさ、そして凄まじい憤怒があった。
ステラ達の気持ちは理解できる。というより、今の僕が置かれている状況とステラの置かれている状況はよく似ている。僕の目的に支障がない程度なら助けたいのが正直なところだ。
しかし――。
「僕も魔術師として新米だし、僕に教えられるのは魔術の基礎理論くらいだよ」
今の僕には魔術師としての戦闘技術で教えられるものがない。何せいまだに魔術に関しては《創造魔術》以外使えないのだ。
僕がステラ達に指導できる事があるとすれば兄さんが残した本を読んで得た魔術の基礎理論のみ。
「魔術の……基礎理論……。魔術とは魔法のようなものですか?」
「う~ん。たぶんね。でも昨日ステラから少し聞いた限りでは魔術と魔法とはかなり異なる。取り敢えずまったく別のものと考えた方がいいかもね」
「教えてください!」
まあ、魔術の基礎理論くらい現代魔術師なら誰でも知っている内容だ。彼女達に教えたても僕個人は何ら痛まない。
それよりも魔術を教えるということはステラとアリスが魔術師となるということ。これこそが問題なのだ。
「魔術を学ぶということはステラ達が魔術師になるということ。
魔術師は魔術師でない者に魔術を教える事は禁じられている。
仮に教えれば禁忌を犯したものとして呪いを受ける」
魔術の存在が一般的な現代社会でさえも、魔術師でない者に魔術を教えることは禁じられている。
魔術師になる方法は特殊な魔術道具による誓約の儀式を行うこと。魔術師以外の者に魔術を教えれば、その誓約に従い呪いを受けることになる。
僕もその誓約の儀式はしている。だから、ステラ達が魔術師にならない限り僕は教えることはできない。
「ステラ、魔術師になります!誰にも魔術は教えません!」
即答だった。それだけ彼女達は切羽詰まった状態ということなのかもしれない。
まあ魔術師になるというのであればこの件には片が付く。ステラ達は当面、僕と同じ流派ということになる。楠流、いや、キョウヤ流と言ったほうがよいか。
魔術師が3人になるなら魔術工房は必要だ。この世界に魔術工房を作るのがベストだが今はその資金も技術もない。地球のあの屋敷を臨時の工房するのがよいだろう。
腕輪に触れていれば転移は可能のようだし、ステラ達を一度屋敷に連れて行くことにする。彼女達に手伝ってもらえれば回復薬等もより沢山作れるし、迷宮攻略の足掛かりとなる。
同じ魔術師の流派、同じギルドである以上、行動は共にした方がよい。特に強くなりたいとのことだし、迷宮攻略に支障がない程度でステラ達も迷宮に同行させよう。
「了解した。よろしくステラ」
右手で握手を求める僕。
「それじゃあ?」
ステラは僕の右手から顔に視線を向け、目を凛凛と輝かし、僕の右手を握り占めブンブン振る。
「よろしくお願いします! 御主人様!」
「君は魔術師になるんだろ? なら僕と君に主従の関係はない。あくまで同じ仲間。
御主人様はダメ」
「でも……」
ステラは変に頑固だ。僕が身請けした事に恩義でも感じているのだろうが、同じ魔術師の仲間に御主人様はどうもねぇ……。
それからステラを根気強く説得していると、アリスも起きて二人で僕の呼び方につき白熱した議論を展開し始めた。
途中でどうでもよくなり、今後の方針について考え始める。
やることは多い。優先順位の高い順から整理していくことにする。
1つ目、《終焉の迷宮》の攻略。これが最優先事項。
2つ目、この迷宮の攻略のために僕の使える唯一の魔術《創造魔術》の研究をし、その全貌を把握する。
3つ目、魔術工房の創設。あの屋敷は元々魔術工房だ。他に工房が隠されている可能性が高い。一度徹底した家探しをして、本工房を見つけるべきだ。その本工房を修理すればすぐにでも使えると思われる。
4つ目、兄さんの研究の整理。特に回復薬等のレシピは絶対にあるはず。一度兄さんの残してくれたものを整理し直す必要がある。
5つ目、ステラとアリスの強化。今の彼女達を連れて迷宮の最下層へ行くのは自殺行為だ。彼女達のLVを上げる必要があるが、彼女達には《進化》がないためレベル上げが難しい。この問題を解決する必要がある。
6つ目、ギルドの運営。ステラとアリスがギルドメンバーとして活動する以上、ギルドの運営も今後必要になるだろう。ランクアップには興味はなかったが、狙ってみるものよいかも。
今のところはこんなところか。
ステラ達はお茶を飲んで寛いでいる。どうやら話がまとまったようだ。早速冒険者組合に出かけるとする。
冒険者の紅石の換金時間帯と重なったせいか、受付には長い列ができていた。
数分と経たないうちに他の冒険者達の視線が僕らに集まっているのに気づく。
その視線の色は、女性はステラとアリスに対する憧憬の念。男性は彼女達に対する情欲と僕に対する強烈な嫉妬。
特に嫉妬の念は凄まじかった。傍から見れば超絶美人姉妹エルフとパーティーを組む若造冒険者。これが月彦のようなスーパーイケメンなら諦めにも似た納得もするのだろうが、貧相な僕だと心が許してくれないのだろう。
鬱陶しい視線に耐えつつ、ひたすら順番を待つ。
こういった客寄せパンダ状態に慣れているステラとは対照的に、アリスは完璧に臍を曲げてしまった。手続き後、ステラとアリスの生活用品を買う予定だ。そうすれば機嫌も直るだろう。
僕らの番がくる。今日も僕の受付の応対をしてくれたのはシェリさんだった。
シェリは僕とその両脇にいるステラとアリスを見て微笑を浮かべる。
「こんにちは、キョウヤさん。ギルドの登録ですね?」
「はい。ギルドの新規登録をお願いします。ギルドのメンバーは僕と彼女達2人です。
彼女達はまだ冒険者ではないので冒険者の登録もお願いします」
僕はカウンターの上に100万ジェリーを載せる。
「承りました。ではこの100万ジェリーをお預かりします。
ギルド名、ギルドマスター名、ギルドサブマスター名、ギルドマークをお教え願ますか」
「ギルド名は《妖精の森》。ギルドマスターは僕――キョウヤ・クスノキ。サブマスターは彼女――ステラ・ランバートです」
ギルド名などにさらさら興味はない僕はステラとアリスに丸投げした。
結果、彼女達は《妖精の森》と僕らのギルドを名付けた。この名前の由来はエルフの始祖とされる妖精の故郷――《妖精の森》。
この世界ではエルフは妖精族とヒューマンとのハーフという伝承らしく、妖精はエルフ達の間では神聖不可侵なものらしい。
ギルドマークは絵心があるアリスが考えた。丸い円の中の一本の高い木とその根元に座る妖精の少女だ。
その後、ステラとアリスの冒険者の登録をしている間に僕はギルドについて詳しい説明を受けた。
青い掲示板に貼ってある依頼書には〇〇ランク以上のギルドと記載されている。例えば、この〇〇がDならばSSSからDランクのギルドが受ける事ができる。
ギルドランク上昇の審査はギルドマスターの名で5万ジェリーを添えて申請すると受理される。
ギルドランクの上昇の条件は①一定難易度・一定数以上のクエストの攻略、②構成ギルドメンバーの平均冒険者ランクを総合考慮して上昇の有無を決定される。これは冒険者組合の裁量的判断となる。
これに対し、毎年一度開かれるギルド大会に出場してベスト16以上に入ると、無条件でギルドランクが一つだけ上昇する。
あとは冒険者組合の管理する施設で一定の成績を収めたギルドも無条件でギルドランクは上昇することがある。
僕らに関係する施設では《終焉迷宮》。
《終焉の迷宮》で試練をクリアし石版に名を刻まれたギルドとその人物は無条件でギルドランクと冒険者ランクが上昇する。
当面は《終焉の迷宮》の試練のクリアで冒険者ランクとギルドランクを上昇するのがベストだろう。
登録が終了したので、リュックにあらかじめ入れておいた紅石のほとんどの換金を求めた。紅石は武具・魔術道具の原料となるらしいので、万が一に備えて【魔双頭鰐】の紅石は5個とっておいた。
【魔双頭鰐】が55個と残りスライムやゴブリン等や湿地帯にいた【水大蛇】、【水猿】の紅石で500万ジェリーほどになった。結果、全部で所持金が678万ジェリーになる。
白髪の御老人に聞くところによれば、これほど短期に稼ぐのは数百人規模の上位ギルドのみらしい。その上位ギルドは1~2週間後にまとめて換金するのが通例らしく上位ギルドのお使いとみなされた僕らは周囲からさほど意外な目では見られなかった。
兎も角十分な資金は得た。当分ギルドが金欠になることはない。
冒険者組合第一館を出た僕らは西区の商業区でステラとアリスの衣服や日用品を買い込んだ。
アリスがはしゃぎまくって終始ステラに注意されていたが、アリスは14歳。ヒューマンでも子供だ。長寿のエルフならばなおさら年相応の反応といえる。
これから《終焉の迷宮》の攻略で十分働いてもらうから遠慮せずに買うようにステラとアリスにそれぞれ30万ジェリーの袋を渡した。
ステラは受領を拒絶し、僕に金を突っ返してきたがその返還を拒む。
僕がどうあっても受け取らないと知り、深いため息をつきアリスと買い物を始めた。
僕は金には頓着がなく無駄遣いしがちだ。ギルドの経理は真面目なステラに任せるとしよう。
宿屋の僕の部屋に戻りステラとアリスに僕の右手首の【万能の腕輪】に触れるように指示し、地球の屋敷へ転移した。
2人は転移に驚愕し、この屋敷の至る所に設置されている現代科学に目を見張っていた。
ステラがこの屋敷の所在地を聞いて来たので世界の果てと説明しておいた。
地球にはエルフはいない。容姿を変化させる魔術道具でもない限り外に出たらパニックになるし、下手をすれば異世界の存在がばれてしまう。だから、地球人とステラ達を会わせるわけにはいかない。
この屋敷は森の中に建てられており周辺に民家はない。少し外出した程度では人と会う事は皆無と言ってよい。さらに、所有者の僕でさえも何度か迷うほど森の小道は入り組んでいる。
もしかしたら、この屋敷の前所有者の魔術師が方向感覚を狂わせる魔術をかけているのかもしれない。
駄目押しに、この屋敷の周りには凶悪な魔物だらけだから外には絶対出ないようにと強く念を押すと二人とも素直に頷く。これでステラ達が地球人と接触する確率は極めて低くなった。
数時間かけてトイレ、風呂、水道、電気等、現代文明について説明する。アリスはすぐに馴染んだが、ステラは機械音痴のようで使い方を覚えるのに数時間の時を要した。
僕が今まで通り2階を使い、ステラとアリスは3階を使用するよう指示する。
1階の食堂で夕食を食べた後、今日はお開きにした。
特にアリスは午前中まで奴隷だったのだ。精神的な疲労は半端なものではない。速く寝て疲れを取った方がよい。そう思っていたわけだが、アリスはテレビに釘付けで、リビングから動こうとしない。何度呼んでも空返事をするだけだ。
アリスは地球の言葉が分からない。だから単に画像を楽しんでいるにすぎまい。それでもあの娯楽が皆無の世界から来たアリスにしてみれば実に興味がそそられるのだろう。要は、外人が日本映画やアニメを見る雰囲気に近いのかもしれない。
最後にはステラが額に青筋を立てつつ、アリスの後ろ襟首を引っ張って3階に姿を消した。
ギルドができました。これから少しずつ仲間が増えていきます。
感想ありがとうございます。予想を超えた反響を頂ただただ感謝感激しております。
お読みいただきありがとうございます。
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